太宰府天満宮の厄晴れひょうたん④
by 丸黄うりほ
先週に続いて、今週も福岡県の太宰府天満宮からのレポートをお届けします。
「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」のひょうたん焼納の儀式があまりにも強烈で、私はその後もしばらく夢の中にいるような、ぼーっとした心地でそこに突っ立っていました。
しかし、せっかくわざわざ太宰府までやってきたのだから、天満宮の中を見てまわろう。そうだ、そうしなきゃ、とふらふら歩き出しながら、少しずつ我を取り戻していきました。
それにしても太宰府天満宮の境内は広い。参道にはお土産店が立ち並び、平日の午前中でも人出が多く、完全なる観光地となっています。どこから見て回ればいいのかなと思っていると、同行くださった瓢箪座の中野由紀昌さんが、本殿横にある梅の木の下へ案内してくれました。
「東風吹かば
にほひおこせよ梅の花
あるじなしとて春な忘れそ」
このあまりにも有名な歌は、太宰府へ送られることになった道真が、大切にしていた梅の木と別れる時に詠んだと言われています。その梅が道真を慕って都から太宰府に飛んできたと伝えられているのが飛梅伝説。私などはまあ伝説だよね、と思っていたのですが、なんと実際に(!?)その木が本殿横にありました。(写真①)
境内には立派な本殿のほか、多くの摂社や、心字池や菖蒲池を擁する美しい庭園もあり、何時間でもいられそうです。びっくりしたのは、なんと神社内に「だざいふ遊園地」まであること!太宰府の子どもたちはここで遊んで、大きくなったら受験でまたお参りをするのでしょう。(写真②)
「菅公歴史館」には、菅原道真の一生を博多人形でつづった展示もありました。写真③は、その最初のシーンなのですが、たいへんな美少年です。やはり、ここにも梅の木が登場しています。各地の民芸品として作られた天神様の土人形もたくさん展示されていました。それらも大変可愛らしく、どのお顔にも優しさや人間味が感じられます。(写真④)
また、館内には年中行事のパネル展示もありました。ひょうたん的にチェックしたいのは節分です。展示中の「節分祈願厄除大祭」のパネルには豆まきの様子しか出ていませんでしたが、節分の厄除祈願は、今回の「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」と深い関連があるのです。(写真⑤)
写真⑥と⑦をご覧ください。こちらは、中野さんが今年の節分に太宰府天満宮で撮影されたものをお借りしました。花咲く飛梅の前に立つ看板には、「ひょうたん酒」という文字が読めます。その近くでは、巫女さんが本物のひょうたんに入ったお酒を注いでくださっています。
「古くから太宰府では、梅の木の下でひょうたん酒を飲むと、難をのがれると言われています。厄除祈願大祭期間に厄除祈願を申し込まれた方は、祈願後ひょうたん酒をお受けいただけます」と、立て看板に書かれています。
さらに、この日祈願を申し込み、ひょうたん酒を飲んだ人には、「厄晴れ厄よけ ひょうたん祭り」で焼納された、あの「厄晴れひょうたん」がお守りとともに授与されるのです!
(726日目∞ 4月12日)
(明日に続きます)