いや、やっぱりやめとこうかな

by 奥田亮

乾燥に入った百成。いい感じでしょ。

IPUの種は扁平で大きいので口を塞いでしまいます。

力いっぱい振り出しましたが、中にはまだまだ身が詰まっています。ひょうたん内部を撮影した珍しい写真!?

ブクブクともう一度中に水を入れます。

寒いです。ここ1週間また寒さが戻ってきて、最低気温が氷点下の日が続きます。東京や大阪など南や西の方からは、桜満開の知らせが聞こえてきますが、こちら北信濃はようやく梅がちらほら咲き始めたかなという状況です。梅のあと桃の花が咲いて、ようやく桜が咲きだすのは4月半ばごろでしょうか。年によって違いますが、千曲川の土手にある八重桜の並木が見ごろになるのが5月の連休あたり。その頃には黄色い菜の花が咲き、桜と桃の紅の濃淡、遠くの雪山の白、空の青、新緑の緑と景色が一斉に極彩色に変わりますが、それはもう少し先です。

とはいえ、さすがに日中の日差しは暖かで動きやすくなったので、重たい腰を上げてひょうたん活動です。先週中身を振り出してもう一度水に浸けた百成たちは、水から出していよいよ乾燥に入ります。昨秋以降そのまま放置してあるひょうたん棚に麻紐でひょうたんをぶら下げて乾燥させることにしました。うん、けっこうかわいくなりました。あと1週間もすれば乾くでしょう。部分的に茶色くなっていた表面は表皮だから浸けておけば取れると思っていたのですが、本体が日焼けしていることがわかりました。まあこれもご愛敬です。

そして、先週くじけて放置していた残りのIPU3つにもようやく手をつけました。さっさと乾燥までうやってしまおうと思っていたのですが、ずっしりと重たく、中身の液状化も十分進んでいない様子です。振り出してもなかなか出てきません。表皮もほとんどむけてない。うーん、これでは浸け始めた時とほとんど変化がないではないですか。真冬には氷づけになっていたので、冷凍保存されていたということでしょうか。同じ条件で百成はそこそこ腐敗したのに、もしかしてIPUはちょっと組成が違うのでしょうか。もうひとつ中身が出にくかったのは、IPUのタネの形が扁平で大きく、口に引っかかって詰まってしまったからかもしれません。もう少し口を大きく開けておけばよかった。仕方ないので力一杯中身を振り出して(おかげで翌日二の腕が筋肉痛)、もう一度中に水を入れ、衣装ケースにブクブクと沈めて、一番日当たりのいいところに置きました。これで1週間もすればちゃんと中身が抜けるんじゃないかな。

そうこうしているうちに今年のタネまきもそろそろ準備が必要ですね。ん?でも去年ひょうたんを植えていたところに、年末玉ねぎを植えていたのでした。そういえば連作障害を避ける意味でも今年はひょうたん栽培しないと決めていたのを思い出しました。う〜ん、でもちょっとやろうかな、いや、やっぱりやめとこうかな。どうしましょうね、でれろん。

(720日目∞ 4月4日)

  • 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。