今年はどのひょうたんを育てようかな?
by 丸黄うりほ
急に暖かくなりましたね。日差しはすっかり春。この調子だと桜の花もあっという間に咲きそう。今年もそろそろひょうたんのタネまきの準備をしないと……。
一般的に、ひょうたんのタネはソメイヨシノの開花の時期にまくとよいとされています。私は何年か続けてひょうたんのタネまきをしてみた経験から、それよりも若干遅め、ヤエザクラの頃にまいたほうがいいように感じます。ソメイヨシノの頃だと、まいてから再び寒くなることがあるので、芽が出るのに時間がかかるんですよね。
まあ、それはおいといて。まずはどの品種を育てるかを考えねばなりません。ひょうたんには大きなもの、小さなもの、いろんな形の実がなる、さまざまな品種があるのです。
しかも、我が家はマンションで、専用の畑などはなく、プランターひとつだけ。栽培は1年につき1品種、たった1苗に絞り込まねばなりません。
この「ひょうたん日記」がスタートした2019年は、「まずは標準的なひょうたんだろう」という思いから、最もポピュラーなひょうたんである百成ひょうたん(通称:大ひょうたん)を栽培しました。2020年は、前年に岐阜県ひょうたん生徒実行委員会さんにもらった品種不明のタネをまき、実ができてみると、やはり百成ひょうたんだったことがわかりました。
そして、2021年は、「でれろん暮らし」の奥田亮さんを通じてハワイのひょうたん・イプのタネをもらって栽培。いわば3年連続で、あまり品種については悩まずにこれた。そして3年連続で、わりあいオーソドックスなひょうたん型の品種を育ててきたとも言えそうです。
となれば。今年は逆に、なるべく変わった形の実がなる品種を選んでみるのがいいかもしれないと思いました。珍しいひょうたんのタネは入手できるルートが限られていて、私は福井シード株式会社という種苗メーカーの通販をよく利用しています。
福井シードのウェブサイトをみると、以前はラインナップにあった明日香美人や岡部マリ、大瓢タワーといった品種が今年は見当たりませんでした。年によって入荷するタネの種類も変わるのです。つまり、今年アップされている品種も翌年になると入手できないかもしれない。そう思うと、ますます「今年は変わった品種ね!」と決意がかたまりました。
そして、最終候補となったのが絵に描いてみた3品種です。
まず図①は、イボひょうたんです。くびれがなく、カボチャのような丸い形をしているのですが、最大の特徴は表皮全体にイボがあること。これは面白いだろうと思ったのですが、サイトの説明文をよく読むと「イボが出ないこともあります」と書いてあったのでやめました。
続いて図②は、タコ瓢です。タコの足のような突起がにょきにょきとついていて、ものすごく変な形。十戒(テンコマンドメント)という神々しい別名で呼ばれることもあり、一度育ててみたいなぁと思っているのですが、じつはこれ、厳密にいうとひょうたんではない。ペポカボチャという食べられないカボチャの一種なのです。「ひょうたん日記」という看板をあげながらカボチャを育てているのはダメかなぁ……ということで、これも却下。
そして図③が、かど瓢です。ふくらみは一つだけで、そのふくらみは角張っていて、デコボコしています。別名がたくさんあって、マランカと呼ばれたり、その形から鬼棒とか、恐竜ヒョウタンと呼ばれることもあります。
そういえば「ひょうたん日記」97日目で、大阪市鶴見区の「咲くやこの花館」のひょうたん園を紹介したことがあり、そのときには「恐竜ヒョウタン」と表示されていました(写真④)。確かに、ちょっと恐竜とか怪獣っぽい……。こいつ、なんでわざわざこんな形をしているのか。変なやつ♡
ふむ……、今年はこれかな?
ということで、かど瓢のタネを先ほど注文しました。到着するまでわくわく、どきどき。まもなく、新しいひょうたんシーズンが始まります!
(714日目 ∞ 3月15日)