ふじっこさんの新楽器 ∞ 「ダクソ瓢ォン」(2)

by 丸黄うりほ

①ひょうたんの底をカメラの三脚に固定

②マイクを外に出す穴も固定しました

③ふじっこさん制作のタング3枚と、弓と千成ひょうたん

④タングを豆ひょうたん付きのクランプで固定

⑤「ダクソ瓢ォン」、ついに完成!

昨日の続きです。きょうもふじっこさんの「ダクソ瓢ォン」制作のようすをお知らせしていきましょう。

「ダクソ瓢ォン」の元ネタである「ダクソフォン」は、タングと呼ばれる部分を弓で弾く楽器です。椅子に腰掛けて演奏するため、机くらいの高さに楽器がくる必要がある。そんなわけで、サウンドボックス=ひょうたん底部に、脚を取り付けることが必要になってきます。

ハンス・ライヒェル氏による「ダクソフォン」の設計図には、脚の取り付け方についても説明されているのですが、ふじっこさんはそれをカメラの三脚で代用することにしました。

しかし、軟らかくて割れやすいひょうたんをどのようにして三脚に取付ければいいのか。ひょうたんと三脚の間にモノを噛ますことも頭に浮かんだそうですが、最終的にはひょうたんに直接穴を開け、ボルトとナットで固定する方法が一番安定するのではないかと思ったそうです。そして、その直感に従って制作を進めました。

ひょうたんの底にナットと同じ形の穴を開け、ナットを埋め込み、厚さ10ミリの木材とワッシャーをかしめて、上からボルトで押さえてネジ締め。この方法で、ひょうたんを三脚に固定することに無事成功!(写真①)。さらに、マイクを外に出すために開けた穴には、ギターストラップ固定用のパーツをはめて固定(写真②)。これで「ダクソ瓢ォン」の土台が完成しました。

ところで、ひょうたんのアイデンティティが「くびれ」なら、「ダクソフォン」のアイデンティティは、タングと呼ばれる、さまざまな形をした木片だと思います。ダクソフォン奏者の内橋和久さんによると、タングの形よりも木の素材の違いが音質に大きな影響を与えるのだそうですが。

ふじっこさんは、ホームセンターで3〜5ミリ厚さのヒノキやマツの板を買い求めました。それらを切り出してナイフで形を整え、サンドペーパーで表面を削ってなめらかに整えて、3枚のオリジナルタングをつくりました(写真③)。

さらに、コントラバス用の馬毛弓と松ヤニを購入。ダックスと呼ばれる音に変化をつける部品には千成ひょうたんを使うことにしました。そして、タングは豆ひょうたん付きのクランプで、ぎゅっと固定(写真④)。

……というわけで。写真⑤をご覧ください!これが完成した新ひょうたん楽器「ダクソ瓢ォン」です!

ふじっこさんが試し弾きしてみた結果、3枚つくったタングのなかでは5ミリのヒノキ板がいちばん音が良かったそうです。

どんな音が鳴るのか聴いてみたいですよね。とはいえ、元祖「ダクソフォン」ですら演奏するのはかなり難しい楽器。今まで弓で楽器を演奏したこともないというふじっこさんですが、「ダクソ瓢ォン」ができてしまったからには、みなさんに耳を傾けていただけるように練習せねばなりません。

たぶん、4月の演奏会ではその面白い音をたっぷりと響かせてくれることでしょう。期待していますよ、ふじっこさん!

(710日目∞ 3月9日)