ひょうたんより、ずっとくびれている!
by 丸黄うりほ
ひょうたんの愛らしさの源、アイデンティティのひとつである「くびれ」。
もちろん、なかには2メートルの棒状に育つ「長ひょうたん」や、UFOのような丸い形をした「UFO」、ふくらみが一つしかないフラスコ型の「鶴首」や「ロングハンドルディッパー」など、くびれのない品種もあります。しかし、ひょうたん型といえば「くびれ」。なぜ真ん中でくびれているのかよくわからないですし、植物としてくびれる必要がどこにあるのかはさっぱりわかりませんが、とにかく「くびれ」はひょうたんのチャームポイントと言い切ってもいいでしょう。
ところが、ひょうたんを凌駕する「くびれ」植物がほかにもありました。それは、チョロギであります。
チョロギはシソ科植物で、塊根部分が食用になります。その形は、まるで巻貝のよう。2、3センチほどの大きさなのに、くびれが5つ、6つ、7つほどもある!ひょうたんのくびれはたった1つだけですから、数では完全に負けています……!
とはいえ、チョロギが活躍するのは正月のおせち料理で、たまーに黒豆の横に添えてあるのを見かけるくらい。そんなにポピュラーな食品ではありません。ひょうたん型といえば誰もがあの形を思い浮かべると思いますが、チョロギ型といわれてパッとわかる人はあまりいませんよね。そういう意味で、ひょうたんのほうが勝ってる、ずっとメジャーだわ!と思っていたのですが……。
なんと先日、100円均一ショップのおやつのコーナーに並んでいるのを発見してしまいました。パッケージには「カリカリ梅の味」と書かれ、目鼻のついたチョロギ君のイラストもついています。それが、ライバルながらあっぱれなかわいさ……!
袋をやぶってみると、チョロギが個別包装されていて、それがまたかわいい……!小さな子どもたちにもウケそうな、おしゃれでファンシーな仕上がりです。
そして、味と食感はまさにカリカリ梅。しかも、梅のようにタネがありませんから、もっと食べやすい。これをカバンにしのばせて旅行にもっていけば、おやつにもおつまみにもなるし、かわいさで場を和ませることもできるでしょう。珍しさで人気者にもなるでしょう。
しかも、チョロギには長老木とか長老喜という漢字が当てられることからわかるように、縁起がいい植物であるともされているのです。なんと、なんと。ひょうたんのいいところをチョロギが全部持って行ってしまうじゃないか……!
あっ、でも。食用ひょうたんがあるじゃないか!食用ひょうたんの漬け物を1つずつパッケージして売り出せば互角に戦えるのでは? でも、一袋1000円くらいになってしまうかな……。
(706日目 ∞ 3月3日)