北国街道・木之本①山路酒造の桑酒

by 丸黄うりほ 

①滋賀県長浜市・木之本にある「山路酒造」

②清酒「北国街道」の看板。素晴らしいロゴ!

③名物「桑酒」の看板も

④「北国街道」大吟醸、純米酒、にごり酒などが並ぶ

⑤「桑酒」は、珍しい桑の葉のリキュール

⑥ひょうたん型の瓶入り「桑酒」もあり!

⑦「桑酒」モヒートは至高の味!

⑧「桑酒じぇらーと」は大人のアイス

 豊臣秀吉が初めて城を構えた地として知られる滋賀県の長浜は、いまも町をあげての秀吉推し。そして、秀吉の馬印が千成ひょうたんだったことから、日本有数のひょうたん推しの町でもあります。

この「ひょうたん日記」では、2020年の秋に17回にわたって長浜の町レポをお届けしました(377回目〜398日目)。前回はJR長浜駅周辺をみっちりレポ。再び訪れた今回は、JR長浜駅から電車で北へ4つ目のJR木ノ本駅周辺からひょうたん探しをスタートし、午後はJR長浜駅へ戻るというコースをとりました。

今回の旅に同行してくださったのは、福岡県の「Edit Office 瓢箪座」の代表・中野由紀昌さんです。その名からもうお分かりかと思いますが、中野さんも大のひょうたん好き!

かつては大分県の奇祭「ひょうたん祭り」見学にお付き合いくださったり(「ひょうたん日記」165日目〜173日目)、「でれろん暮らし」の奥田亮さんともお知り合いだったりと、大きなひょうたん愛とひょうたん縁のある方なのです。その中野さんがこのたび滋賀県大津市に所用で来られ、「じゃあ、そのついでに一緒に長浜ひょうたん巡りをしましょう!」となったわけであります。

さてさて。福岡と大阪に住む、そんなひょうたん好き二人……、中野さんと私がJR木ノ本駅を降りて最初に向かったのは「山路酒造」です。

近江と越前を結ぶ北国街道沿いの街・木之本は、古い街並みがよく保存された、とても雰囲気のいいところ。その風景のなかに佇む「山路酒造」は、1532年(天文元年)創業という、日本で4番目か5番目に古い酒蔵なのだとか(何番目かは諸説あるそうです)。店構えも渋くてかっこいい! (写真①)

こちらの清酒の銘柄は「北国街道」。その看板のロゴデザインがまたまた素敵です(写真②)。そして、もう一つの名物が「桑酒」。こちらのロゴもとってもいいですね(写真③)。

中野さんと私は少々緊張しながら、お店のガラス戸を開けました。カウンターには、「北国街道」と「桑酒」の瓶がずらり(写真④⑤)。そのなかでも、私の最大の目当ては、ひょうたん瓶入りの「桑酒」です(写真⑥)。

この「桑酒」は、桑の葉から作られた日本唯一のリキュール。前回の長浜旅では、長浜の街中にあるお酒屋さんで、このひょうたん型にひかれて一つだけ購入したのですが、飲んでみるとこれがびっくりするほどおいしかったのです!

おすすめの飲み方として、グラスに氷、レモン、ミントを入れて「桑酒」を注ぎ、炭酸で割ってモヒートにするといいと書いてある紙をもらったので、その通りにしてみたのですが、なんというか……衝撃的なほどおしゃれな味です。爽やかで、ハーブのような桑の香りがして。これを飲むとなぜか私の脳内にはカリブ海とか、地中海の澄みきった青い空の映像が浮かぶのですが、ここは琵琶湖を思い浮かべるのが正しいのでしょうね。

お店の方が試飲させてくださった「北国街道」も、とてもおいしいお酒でした。中野さんはこちらもいろいろ買い求めていましたが、私は完全に虜になっている「桑酒」一本に絞り込みました。というわけで、私はひょうたん型の「桑酒」(200ml)のほかに、900ml入りの瓶も買い求めてほくほく。このラベルがまたアンティークでかっこいいんです。

お店には「桑酒」や桑の葉を使用したケーキ、マドレーヌなどのスイーツもありました。私はお土産に「桑の葉クッキー」を買い求め、その場で「桑酒じぇらーと」をいただきました。こちらにも「桑酒」と、その製造過程で出るという「みりん粕」がしっかりと入っていて、上品な大人の味です。

朝っぱらから日本酒の試飲と「桑酒じぇらーと」でいい気分になった私たちは、とても丁寧に接してくださったお店の方にご挨拶をして、次なる目的地へと向かいました。

(681日目∞ 1月25日)

山路酒造 https://www.hokkokukaidou.com