「ひょうたん」と「ひさご」の関係は?

by 奥田亮

店先の紅白幕。年の瀬らしくなりました。年始17日まで飾ります。

先週の金曜日に降った雪は、いまだに道路脇に積もって根雪になっています。この1週間、それなりに晴れた日もあったのですが、気温が低くてなかなか溶けてくれません。歩道に積もった雪は溶けたり凍ったりを繰り返して、夜ともなればツルツル。歩くのも危険です。その上またこの週末には寒波が来るとのこと。今日土曜日は、午後からかなり気温が下がってきて、雪もチラつきはじめました。

町の商工会の慣しで、年末年始、店先に紅白幕を飾ることになっていますので、今朝取り付けました。いやー寒かった。もっときれいに飾りたかったのですが、早々に退散です。あまりに寒いので写真は店の中から撮りました。

さて、先週の続き。くびれたヒョウタンが日本に到来したのはどういう経路だったのか、いつだったのか、考えを巡らせいています。かといって、何をどう調べればいいのかわかりません。とりあえず手始めにWikipediaにあたりました。Wikipediaで「ヒョウタン」を検索するのは初めてかもしれません。どれどれ…。

ヒョウタン(瓢箪、学名:Lagenaria siceraria var. gourda)は、ウリ科の植物。漢語では瓢(ひょう、瓠、匏とも表記)、瓢瓠(ひょうこ)、胡盧(ころ、葫盧、壺盧とも表記)ともいい、和語ではひさご、ふくべという。

そうですよね、そうそう。こうやって読んでみるとおさらいになっていいですね。縄文時代のヒョウタンがくびれていなかったこともちゃんと書かれています。恐るべし、Wiki。でも、「ヒョウタン」と「ひさご」「ふくべ」の関係はわかりません。

そこで、白川静先生にご登場いただいて、上代の和語と漢字との出会いを探る古語辞典『字訓』で「ひさご」を調べてみました。

ひさご〔瓠、匏〕 瓢箪などの類の総称。「ひさ」ともいう。その実を縦割りにして杓の代りに用いることがあり、その杓を柄杓という。……
〔続後紀、嘉祥二年〕の「日の宮の聖の御子ぞ瓠葛(ひさかた)の天の梯建(はしだて) 践(ふ)み歩み天降(あも)り坐(いま)しし」の「瓠葛の」には、「ひさかたの」に対する当時の語源意識をみることができる。……

「ひしゃく」と「ひさご」との関連のこと、枕詞「ひさかたの」の語源としての「ひさご」のことなどについて解説されています。「ひさかたの」は、ひさごの丸い形から「天」の枕詞になったとか。縦割りにして柄杓になるということは、くびれているか、鶴首のような形だったかどちらかでしょうか。でも、「ひさかたの」の「ひさご」は、多分くびれてはいなさそうです。天がくびれてるというのも、どうも想像できません。うーむ‥‥。そしてやっぱり「ひょうたん」と「ひさご」の関係はわかりませんでした。

もう少し調べようとは思いますが、縄文以前にあったくびれていない瓢を「ひさご」と呼んでいたのが、その後大陸からくびれた瓢が「ヒョウタン」という名前で伝わったのではないか、と考えたりもしています。まあ、全くの素人の勝手な空想ですが。

夜になって空気がますます冷たくなってきました。雪は地面に落ちても溶ける気配なく、風に吹かれて砂のように舞っています。ああ、このまま降り続くとまた積もるんだろうな。この「でれろん暮らし」がアップされる月曜には、雪かきをするハメになっているかもしれません。

私の「でれろん暮らし」はこれが年納め。今年も1年間お付き合いありがとうございました。来年は17日から始まります。よろしくお願いいたします。でれろん。

(667日目 ∞ 12月27日)