有馬ひょうたんレポ(その13)千成ひょうたん漬
by 丸黄うりほ
ひょうたん好きのあなたが有馬温泉を訪れたら、必ずここへ立ち寄ってほしい!行かないと後悔しますよっ!きょうは、そんな大本命のひょうたんなお店を紹介します。
そのお店の名は、漬物と佃煮の「千成屋」。神戸電鉄有馬温泉駅の改札を出てすぐの場所にあり、見つけやすい。電車の待ち時間などに、さくっと立ち寄っておみやげを買えるのも素晴らしい!
「千成屋」というネーミングはもちろん千成ひょうたんから来ているものでしょう。ガラスの扉に6個のひょうたん、六瓢(無病)息災をあらわす縁起のいい形が掲げられています(写真①)。六瓢はよくある意匠ですが、このマークのひょうたんはあまり他では見かけたことがない独創的な形をしています。
さてさて。このお店のいちばんの名物は、「千成ひょうたん漬」というひょうたんのお漬物なのです!(写真②)
この「ひょうたん日記」を読んでくださっているみなさんはもうご存知だと思いますが、普通のひょうたんは食べられません。千成ひょうたんも食用ではなく、絶対に食べてはいけません。なぜなら、毒があるからです。
しかし、世の中には品種改良された食用ひょうたんという一口サイズの特殊な種類があるのです。このお店の名物「千成ひょうたん漬」は、正確に言うと千成ではなく、食用ひょうたんを灘郷の酒味醂粕を使って漬けたもの。食用ひょうたんはベトナム産のものが多いのですが、この漬物に使用されているひょうたんは「国産」と表示されています。これだけでもポイントが高い!
さらに、このお店ではひょうたんのしば漬けも販売されています。表示を確認すると、こちらはベトナム産の食用ひょうたんが使用されているようです(写真③)。
お店のなかにはひょうたんの飾り物があちこちに飾られていて(写真④)、紙袋もひょうたん柄(写真⑤)。まさにひょうたん尽くし。
私は「千成ひょうたん漬」と「ひょうたんしば漬」を買って帰り、自宅で食してみました。「千成ひょうたん漬」の包み紙をはがすと、商品説明が入っていました(写真⑥)。それによると、「千成からし漬」という姉妹品もあるらしい(この日はありませんでしたが)。また、「千成有馬漬」という商品もあり、こちらはひょうたん、守口大根、一口茄子を同じ酒味醂粕に漬けたもののようです。本来は酒味醂粕ごといただくのがおいしい食べ方のようですが、写真を撮るために洗ってお皿に並べてみました(写真⑦)。
「千成ひょうたん漬」は奈良漬に風味がよく似ていますが、味醂が使われているせいか、かなり甘口です。コリコリとした食感で、ごはんといただくのもいいけど、お酒のアテや前菜、お茶請けにも良さそう。
「ひょうたんしば漬」のほうは爽やかなしそ味で、「千成ひょうたん漬」に比べるとひょうたんが柔らかく漬かっています。色がきれいなので、おせち料理の飾りにしてもよさそうです。
(665日目∞ 12月23日)