ヒョウタンはなぜくびれているのか?

by 奥田亮

一晩ですっかり雪景色

松の木も重たそうです

こんなにも横なぐりだったんです

UFOもすっかり雪まみれ

12月16日(金)。寒波襲来の予報あるも日中は雨。気温もさほど低くない。夜に入って多少寒さが増しては来たが、日暮れに気温が下がるのはごく普通のこと。多少雲はあったが月も明るく、閉店後いつもの散歩に出かけた。昼間雨だったので念のため傘持参。所要時間約1時間のコースを半分ほど過ぎた頃からびゅーびゅーと強い風。気がつけば空には厚い雲。白いものが舞い始める。あれ、やっぱり来たのか、と思うまもなく風はますます強くなり、吹雪。次第に歩くのも困難になり始めたので、途中でコースをショートカットして急ぎ帰路に。その後も雪は止むこと知らず。明け方、うおーーんという鈍いエンジン音で目が覚める。あー、除雪車が出たんだな、と思いながら再び眠る。起床後雪かき……。

いやー、参りました。急にこんなに降るなんて。予想外のことは予想外に起こるんですね。先日の初雪も、初雪にしてはしっかり降って、積もるかもと思ったぐらいでしたが、今回も昼間フェイントかけるように雨で暖かくしておいてこれですからね。積雪量40センチぐらいでしょうか。おかげ様で土曜日は今季初の雪かきとなりました。これほどの積雪は例年、年明けからなので油断してました。

水づけのひょうたんは、当然凍っているし、水づけせずに外に放置してあったUFOも雪をかぶってなんだかかわいらしい。この分だと春まで放置コースになるかな。

こんな雪の日にわざわざ古本屋に来る人もないだろうなと思っていましたが、その予想は当たってお客様は一人も来られません。時間もあるので先週課題にしていた「ヒョウタンはなぜくびれているのか」の疑問を解決すべく『ヒョウタン文化誌–人類とともに1万年』(湯浅浩史著、岩波新書)をパラパラと再読しておりました。その答えを見つけ出すことはできませんでしたが、9千年前の遺跡から出土したヒョウタンのタネなど、縄文時代のヒョウタンはくびれていない壺型だったとのこと。ということは、ひょうたん型のくびれたヒョウタンは、その後、別ルートで日本に伝わったのではないかと推察できます。

漢字の「由」の初文「卣(ゆう)」はくびれたヒョウタンの象形です。4千年前の甲骨文字の時代から、中国大陸ではくびれたヒョウタンが一般的だったということでしょう。それが奈良時代あたりに日本にもたらされ、珍重されたのが、日本におけるくびれたヒョウタンのルーツで、縄文時代から栽培されていた壺型ヒョウタンは別ルートで既に伝来していたのではないか、と勝手に考えています。アフリカ原産のヒョウタンが、アジアの東端にまで伝わるのにいくつかルートがあっても不思議ではありません。

アフリカ大陸からアメリカ大陸にどのようにヒョウタンが伝わったのか、ということについては、人が運んだ説とタネが漂流した説があるそうですが、この壺型ヒョウタンを日本にもたらした人たちが、さらにベーリング海峡を渡ってアメリカに渡り、ネイティブアメリカンになり、さらに南下して南アメリカにヒョウタンを伝えたのかもしれません。

そんな空想を駆り立ててくれる本を最近見つけました。そのご紹介はまた次週に。でれろん。

(662日目∞ 12月20日)