有馬ひょうたんレポ(その10)趣味のおみやげ・ひょうたん堂

by 丸黄うりほ

①10時ごろ。まだシャッターが下りていました

②のんびりオープン!

③「ひょうたん」の書体が素敵

④ひょうたんマークも味わい深い

⑤趣味のおみやげ、というコピーもぐっときます

⑥包装紙には六瓢より多い八瓢!

⑦炭酸せんべいを包んでもらいました!

 有馬温泉に行くことを決めた時に、「有馬温泉 ひょうたん」で検索すると、「ひょうたん堂」というおみやげ店がヒットしました。もうそのネーミングだけで、「絶対ここでおみやげを買うぞ!」と決めた私。地図で調べてみると「ねね橋」の向かいで、観光案内所のすぐ近く。有馬温泉のなかで最も賑わう一等地にあることがわかりました。有馬温泉の公式サイトによると、営業時間は9時から19時とのこと。

ところが。ふじっこさんと私が午前10時ごろにお店の前を通りがかると、まだシャッターが下りたままでした。えっ、もしかしたら定休日?くすんだオレンジ色のテントに印刷された「ひょうたん堂」というロゴは、昭和感のある書体が素晴らしく、横にちょこんといるひょうたんも可愛らしい。しかし、だいぶ古びても見え、「もしかしたら閉店してる……?」という不吉な考えが一瞬頭の中をよぎりました。

……が、午後になって再び前を通ると、無事にオープンしていました!よかった!ちょっとのんびりオープンだったのですね。

さっそくお店に入ってみましたが、店員さんの姿がありません。そのうち奥から出てこられるだろうと思い、なかをゆっくり見せてもらうことにしました。

入口付近には普通に炭酸せんべいが並んでいます。しかし、それ以外の棚には人形や招き猫、花瓶、マグカップ、お皿、カゴ、ホンコンフラワー、おもちゃなどが目立ちます。観光地でたまにみかけるジョークグッズとか、ちょっとエッチなグッズもちらほら。うんうん、こういうの好きな人は好きですよね。在庫がたくさんあるのか、同じものがあちこちに置いてあったりもします。

ざっと商品ラインナップを見て、ある意味正統派の昭和のおみやげ屋さんだなと思いました。「こういう感じのお店は観光地にも少なくなりましたね。それにしても、このロゴは本当にいい。ちょっと口部がねじれたひょうたんマークも味があります。趣味のおみやげというコピーもいいですね」と、私が言うと、ふじっこさんは「このロゴ、何かに似てると思ったら……、ひょうきん族ですね!」と発言しました。

本当だ……!

その言葉を聞いたとたん、私は「このお店にあるものはいつからここにあるのだろう」と思いました。まさか「ひょうきん族」の時代からではないと思いますが。でも、もしかしたら当時のデッドストックが見つかるかも。私にはそういう知識や趣味がまったくないのが残念ですが、昭和マニアの人にぜひ宝探しに来てほしいです。

一通り、いや二通りくらいじっくり時間をかけて中を見せてもらいましたが、お店の方はまだ現れません。

ふと目を落とすと、包装紙の束がありました。こちらにもひょうたんマークが!

包装紙は青色でプリントされ、ひょうたん型は秀吉の馬印にも似ているけど、またちょっと違う。小さな円で束ねられたひょうたんは数えてみると8個あって、六瓢ではないというのも珍しい。

どうしてもこの包装紙が欲しい……!

というわけで、ふじっこさんと私は店内を再び物色し、ともに無難な炭酸せんべいを手に取りました。お互いに「あのマグカップ、買わないんですか?」「この湯のみもなかなかいいのに」とか言いながら。

そして、お店の奥に向かって大声を出しました。「すみませーん!!」

何度か叫ぶと、ようやく奥から女性が出てこられました。そして、私たちの希望通りに丁寧に包装してくださいました。「包み紙素敵!」とかなんとか言いながらキャピキャピ(昭和)していると、そこへ4人組のお客さんが来店。続いて6人組、続いて5人組……。

「ひょうたん堂」は大にぎわい。私たち二人は大満足でお店を後にしました。

(661日目∞ 12月17日)

来週に続きます)

これまでの[有馬ひょうたんレポ]はこちらから

※次回662日目は奥田亮「でれろん暮らし」、12月20日(月)にアップ。

663日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、12月21日(火)にアップします。