有馬ひょうたんレポ(その9)煙のない温泉地?
by 丸黄うりほ
ひょうたんを探して有馬温泉を徘徊していたふじっこさんと私。タンサン坂を「銀の湯」方向にもどったあたりで、赤いのれんのかかった小部屋を見つけました。
「おや?こんなところに足湯があるのかな?」と、近づいてよく見ると、なんとのれんに小さなひょうたんのマークがついています!(写真①②)
中を覗き込むと、どうやら足湯ではなそさう。入口の横には木目調のボードが貼り出されていて、「加熱式たばこ専用エリア」と書かれています。そのボードにもよく見るとひょうたん型があしらわれています。(写真③)
中に入ると、壁一面を使って大きなひょうたん型が三つ並んでいました!しかも、そのひょうたん型には有馬温泉の観光名所である「有馬川親水公園」、「ねね橋」、「炭酸源泉」の写真がはめ込まれていました。(写真④)
さらに、室内に置かれた吸い殻入れには、「ARIMA 有馬温泉」と書かれた有馬温泉トレードマークの赤いひょうたんが二つと、そのほかに大小の赤いひょうたんが四つ。ちゃんと全部で六ひょうたんあるではないですか!(写真⑤)
有馬の街を歩き回って、ひょうたんだらけのホットスポットをようやく見つけた!ふじっこさんと私は大喜びで写真を撮りまくりました。
「フィリップ モリスのアイコスかぁ。やるなあ!」とふじっこさんは叫んでいましたが、たばこを一切吸わない私には何のことかよくわかりませんでした。そもそもなぜ有馬温泉に、加熱式たばこ専用エリアができてるのか?この強力ひょうたん推しのデザインには、地元とフィリップ モリスのコラボレーションが感じられるけど……?
というわけで、私は帰ってからウェブを調べてみました。すると、ヒットしたのが、フィリップ モリス ジャパンの「煙のない社会の実現を目指して」というサイト。そこでは、さまざまな観光地での取り組みが紹介されていました。そのなかに、ありました!「有馬温泉」のページ。小見出しには、[「煙のない温泉地」 温泉中心街「金の湯」「銀の湯」付近を加熱式たばこ専用エリアに一新]とあります。それによると……。
有馬温泉では、かねてから紙巻たばこの路上喫煙や吸い殻のポイ捨てに悩んでらしたそうです。また文化財が多く残っているために建造物の火災リスクも懸念事項であったのだとか。そういった事情をふまえて、有馬温泉旅館協同組合と有馬温泉観光協会が、フィリップ モリス ジャパンのビジョンに共感するかたちで、加熱式たばこ専用エリアを2カ所に新設。昨年の11月26日(いい風呂の日)より、煙のない温泉地に生まれ変わった……のだそうです。(PR TIMES プレスリリースへ)
加熱式たばこは、紙巻きたばこのように直接火をつけないので、煙が少ないらしい。確かにこれだとポイ捨てもなくなるでしょうし、路上や街の景観を損なうこともなさそう。
温泉地といえば「湯けむり」という言葉が連想されますが、出なくなったのは同じ煙でも「たばこの煙」のことだったのですね。
(660日目∞ 12月16日)
(明日に続きます)