割れたUFOはペダル式音具に?
by 奥田亮
12月4日、2年ぶりに長野に来てくれたミュージシャンのエンリコ・ベルテッリさんと鹿倉由依さんのワークショップとライブがありました。おふたりはロンドン在住。由依さんの東京のご実家への帰省に合わせて、度々立ち寄ってくださるようになりました。コロナ禍などもあって間が開きましたが、今回が3度目の来訪となりました。
エンリコさんが初めて小布施に来られたのは2017年。音楽家の野村誠さんが、交友関係のあったエンリコさんから、長野のミュージシャンを紹介してほしいとの連絡を受けて、なぜか私が紹介されたのがきっかけでした。
おふたりは、Conductive music という団体で音楽教育に携わっておられるので、さっそく町立図書館「まちとしょテラソ」の館長と繋ぎ、図書館でのワークショップ開催が実現。図書館長は20代。風通しがよくて動きがいいんです。それから、前回ライブを企画した須坂市の満龍寺にも声をかけたら、たまたま新月の日に毎月開いているイベントと日程が合って、とんとん拍子にライブ開催が決まりました。
図書館のワークショップは予定が重なって行くことができませんでしたが、満龍寺のライブには行きました。オリジナルに開発した音楽ソフトを使ってのライブは、最終的に参加型のワークショップになり、お寺の御本尊の前にピコピコギュンギュンサウンドと三味線の音色が渦巻きました。参加の皆さんも楽しそうでした。
さて、先週突然降った雪は、結局翌日には溶けて雪かきには至らず、その後は穏やかな日が続いていますが、朝晩の冷え込みはグッと厳しくなり、バケツの水に氷が張るようになりました。ということで、水漬けひょうたんはまだそのままです。このまま凍らせることになるのかな。いや、小春日和の午後にでも思い切って洗った方がいいよね。いやー、やっぱりズクが出ないなー、と頭の中でグルグルさせています。
収穫の時に落としてヒビの入ったUFOを、割れたところから中身とタネを出してそのまま放置していましたが、コンコンと手でたたくと多少は響きます。皮の内側にこびりついているワタやタネをヒビ割れから手を突っ込んでメリメリと剥がし取ると、多少は響きがよくなった気がします。いらないものが付着していない方が響きがよくなるのです。さらに割れがひどくて壊れそうなところを接着剤でくっつけたり、いっそ逆に破片を取って穴を広げたりして、多少見栄えを整えました。
ヒビ割れは、UFOの実を真っ二つに分割し、蔓にまで至っています。割れたことで蔓にバネのような弾力が生まれ、蔓を押さえると割れた所が怪獣の口みたいに動くので、これはなんか使えそうです。指で蔓を抑えてカチカチ鳴らすのもありですが、蔓の先に足置き場のようなものをつけて、ペダル式の音具にするのはどうでしょうね。きっとすぐに壊れてしまうだろうことは容易に予想がつくのですが。
うーん。まあ、きょうのところはここまでです。もう少し寝かせて考えましょうか、でれろん。
(652日目∞ 12月6日)
- 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。