ランプに、温灸器に!ひょうたんたちの「進路」
by 丸黄うりほ
きょうから師走。夏は灼熱地獄だった我が家の西向きベランダにも、ぴゅーっと冷たい風が吹きはじめました。いよいよ冬がやってきましたね。
ひょうたん栽培は夏が最盛期。我が家のひょうたん・イプの「ドミティアヌス」の後成りたちも11月中にはとってしまうつもりだったのですが、なんとなくまだぶら下げてあります。写真①は、そのうちの一つ「ド実7号」。末成りはいつまでも青い……と言われるように、確かにまだ青い。青いということは皮も薄いということです。
茶色になった葉やうどんこ病で真っ白になった葉をカットしても、またすぐに別の葉が病気になり、老化してしまい、あまり徹底的にやるとなくなってしまいそう。そんな状況にありながらも、「ドミティアヌス」からは弱々しいながら新しい葉がまだ出てきます。昨日は花も咲きました(写真②)。
先成りの実4個は相変わらず水の中。何度か出して洗ったのですが、タネがたくさん残っているせいか臭みが抜けません。表皮はすっかりむけているので、もう少しの辛抱かな(写真③)。
まあこんなふうに、なにもかも奥手でゆっくりめの「ドミティアヌス」ですが、その生命が完全に尽きるまで育て主は見守っていこうと思います。
さてさて。収穫のすんだヒョータニストさんたちのひょうたんは、続々と「進路」を決めているようです。
まず写真④をご覧ください。9月30日(607日目)から2カ月ぶりの登場、東大阪市KFさんの「パートン」の後成り「2号」です。ついに「パートン」も栽培終了。カラスにつつかれて心配だった「2号」ですが、それ以上穴が広がったり腐ったりすることもなく、多少ウリキンウワバにはかじられたけど、無事に収穫日を迎えました。「穴を生かして、香炉にしたい」とKFさん。この後どんな姿に変身するか、楽しみです。
写真⑤は、10月27日(626日目)から1カ月ぶりの登場、瓢箪山のフェイ・ターンさんの百成です。前回制作中だったひょうたんランプが完成しました。とってもきれいにできましたね!フェイ・ターンさんは、この後もぞくぞくとランプを作ってらして、写真⑥は作りかけの千成のようす。
さらに、写真⑦⑧をご覧ください。こちらは11月18日・19日(641日目・642日目)に「ひょうたんのお灸・吸いふくべ実験」を紹介した、和泉市のヤマミーさんの千成です。今回の作品は「温灸器」。ガムテープの芯に、茶こしをセットしてモグサをのせ、ひょうたんを被せました。ひょうたんには煙を排出するための穴が開けられています。身近なものでこんなシステムを作り出してしまうヤマミーさん、すごいですね。尽きないアイデアに脱帽です。
(649日目∞ 12月1日)
- 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。今年はイプ「ドミティアヌス」を栽培中。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
- 2021年ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中) ふじっこさん(三重県いなべ市)、フェイ・ターンさん(大阪・瓢箪山)、ヤマミーさん(大阪府和泉市)、KFさん(大阪府東大阪市)、森野ゆかりさん(奈良県奈良市)、ヒロミさん(兵庫県淡路島)、美佐子さん(大阪北浜・フレイムハウス)、しょうゆさん(大阪西成・ココルーム)、西山朝子さん(大阪市淀川区・ウーピーキッチン)