ひょうたんシードバンク

by 奥田亮

写真1 ある朝落ちていたIPU。びっくり。

写真2 わが家のIPU3兄弟。

写真3 ほぼ乾燥を終えた千成。かわいい。

写真4 あわれな姿のアメリカ。

ある朝いつものように庭を歩いていたら、落ちていたんです、IPUが。そうなんです。軒の高いところになっていたIPUが、落ちてくれるな、の祈りも通じず蔓が切れて落下していたのでした。5mほどの高さからだったので、きっと割れてしまっただろうなと思ったのですが、幸い芝生の上に落ちたので、全く無傷でした。

よかったと胸をなでおろしたついでに、この際全部収穫しようと思い立ち、残りの2つのIPUも収穫してしまいました。3つを並べて記念撮影(写真2)。真ん中が一番最初にできた実。結構大きくなりました。右が松の枝に鎮座していた実で、枝がつっかえになって下に大きくならず、横に太った形。そして左が落下した実です。少しこのまま乾燥させてから水づけしようと思います。

先週水づけした百成は、未だなんの変化もありません。気長にやりましょう。千成はほとんど乾燥が終わりました。水づけ中にちゃんと表皮を取らなかったので、表面があまりきれいじゃないのがわりとたくさんになってしまいました。表皮は乾いてからではなかなかきれいに取れないので、水づけ中に面倒がらずにきれいに取っておいた方がいいですね。

先週勢いで収穫してしまったアメリカ瓢は、案の定ブヨブヨと腐りはじめてしまいました。予想していたとはいえやはり残念です。たぶんタネも取れないかな…。

タネ取りといえば、先日「おぶせシードバンク」が発足しました。シードバンクはタネを採取して預けたり、欲しいタネをもらったり、交換したりできるところです。具体的な運用等はこれから決めることになりますが、もらったタネで作物を育て、できた作物からタネを採取してシードバンクに返したり、交換したりする仕組みです。固定種や伝統野菜の種を守るというシビアな課題もありますが、もう少し敷居を下げて、多少交雑していてもオッケーとし、自給のための仕組みとして立ち上げることになりそうです。確かに昨今、タネや苗が高くなっている上に、市販の大半が外国産の輸入に頼っている現状の中、ある程度自分たちで食べる野菜は、できるだけ自分たちの手で作る仕組みを作っておくことの必要性が現実的に感じられるようになってきています。

シードバンクは、主には食べ物のタネが集められることになると思いますが、しれっとヒョウタンのタネも置かせていただこうかなと目論んでいます。ヒョウタンのタネの寿命は2、3年と思われますので、誰かがタネを持ち帰って育て、そのタネを返してくれればそれだけまた寿命が伸びることになります。もっとも、このタネの交換の仕組みは、すでに今年、丸黄さんを中心に、ユカリさんのIPU、美佐子さんのUFO、ふじっこさんの百成などで実現しました。あちらこちらに配られたタネは、それぞれの栽培環境の違いによって育ち方も異なり、大きさや形などの情報も一つひとつ異なります。うまく育たない場合もあります。一箇所に抱え込むより、いろんな人にいろんな場所で育ててもらった方が、それだけ多様性も広がり、リスクヘッジにもなります。うちで偶然できたアメリカ瓢も、うまく育てば皆さんにお配りして育ててもらいたかったのですが、残念ながらその意は叶いませんでした。

「ひょうたんシードバンク」誰かやりませんかね〜、丸黄さん、でれろん。

(633日目∞ 11月8日)