10月、京都府立植物園のひょうたんたちは?
by 丸黄うりほ
559日目(7月20日)の「ひょうたん日記」で、京都府立植物園のなかにある「四季 彩の丘」で栽培されているひょうたんたちについて報告しました。
前回訪れたときは、最盛期にはまだ少し早い感じでした。その後8月、9月に再び観察に行きたいなと思っていたのですが、コロナ禍の影響で植物園そのものが休園に。緊急事態宣言が解除になった10月から再び開園されたのですが、ひょうたんの最盛期である夏は終わってしまいました。
先週末、私は京都へ行く用事があり、「もしかしたら、ひょうたん園そのものがもうすでに片付けられているかもしれないな」と思いつつ、とりあえず足を伸ばしてみたのです。
すると、よかった。まだ残っていました。とはいえ、前回行ったときにみごとな実をつけていた長ひょうたんや明日香美人の姿はもうありません。今回、最も目立っていたのはヘビウリでした(写真①)。
ヘビウリはひょうたんと同じウリ科植物ではありますが、ひょうたんがユウガオ属なのに対してカラスウリ属。塊根を持ち、冬はその状態で越冬する、雌雄異株であるなど、ひょうたんとはかなり生態の異なる植物です。しかし花は同じ白色で、夕方に咲くのです。
その花が、なんとこの日咲いていました!花弁の数はひょうたんの花と同じ5つですが、花びらの先がくしゃくしゃしたレースみたいになっている。これは雄花雌花どちらなのでしょうか?よくわかりませんでしたが、なかなか可愛い花ですよね(写真②)。
ひょうたんで残っているのは、台湾食用ヒョウタンでした。ダルマ型をしているもの(写真④)と、緑色が濃く少し長めのもの(写真⑤)の2種類ありますが、どちらも台湾食用ヒョウタンであるようです(写真③)。
大きさは高さ20センチから25センチほど。表面にまだら模様があり、くびれは浅い。この形と大きさは、我が家で栽培中のイプにもちょっと似ているなと思います。我が家のイプにはまだら模様は出ていませんが、我が家で苗まで育てて KFさんにもらっていただいたイプには模様が出ていましたし、もしかしたら近い種なのかもしれません。
とはいえ、台湾食用ヒョウタンも、葉や蔓はほとんど枯れてしまっていました。他に豆ひょうたん(写真⑥)と千成ひょうたんも残されてはいましたが、実だけで葉や蔓はほぼカラカラ。あと、ペポカボチャ、鹿ケ谷カボチャ、ゴーヤがかろうじて残っていましたが、どれも弱っていたし、しかもこの3種はひょうたんではありませんし。京都府立植物園の今年のひょうたんは、ほぼ栽培終了したといっていいと思います。
いちばん美しい、見頃の時期に閉園していたなんて、なんともったいないことでしょう。お世話をされている方々も辛かったのではないでしょうか。来年の夏はこの禍をくぐり抜けて、いつも通りのひょうたん観察ができますよう祈ります。
(616日目∞ 10月13日)