クリネットにひょうたん
by 奥田亮
秋ですね!とはいえ最近少々暑いですが、くだもの王国信州は収穫のシーズン。モモ、プルーンときて、今の主役はなんといってもブドウ。農協やスーパーの店先には「ぶどう祭り」と書かれた幟旗がはためき、人も少々密だったりします。
今年はブドウ農家でバイトしている友だちがハネ出しを持ってきてくれたりして、いろんな種類のブドウをおいしくいただきました。ブドウにもいろんな種類があるんですね。それぞれに味や香りが違います。そしてそろそろ、ナシ、リンゴが出てきます。ただ、なんといっても小布施はクリ。町のあちこちで新栗の販売が始まりました。栗菓子屋さんでは、新栗を使ったこの季節にしか食べられないモンブランや栗スイーツが店頭に並びます。シルバーウイークは、このご時世にいいのかな…と思うほど賑わっています。いいのかな……。
さて、いよいよきょうは先週収穫した千成ひょうたんの水つけです。まず一つひとつ、きりやドリルで口に穴を開け、ぐじゅぐじゅと中身をつぶしていきます。蔓の付き方がおもしろいのは、収穫のとき蔓を残しているので、それはおしりから。すでに完全に乾燥して茶色くカラカラになっているのは、なにもせずそのまま。ひと通りできたら、タマネギなどを入れるネットに入れていきます。ネットは一つだけ倉庫にあったのですが、足りなさそうだったのでホームセンターに買い足しに行きました。売り場で見つけてサッと買ってきたのですが、タマネギ用にしてはちょっと小さい感じ。昔(今もあるのかな?)、よく駅の売店などでミカンやゆで卵を入れて売っていた細長いネットみたいでしたが、よく見ると値札に「クリネット」と書いてありました。さすが栗の産地小布施。残念ながら今回は栗じゃなくてひょうたんを一つずつネットに入れていきましたが、なんとなくちょっとエロっぽい…? まあそれはおいといて、ぎゅーぎゅーに詰め込んで2袋。バケツに入れて水を張り、重石を乗せました。重石の石は、新楽器ビビリンチョを彩色したときに着いた塗料で金色に光っています。ええ感じやないですか! これでしばらく放置です。そして1週間もすれば、アノ瓢臭が漂ってくるのです。
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9月に入って急にやる気を出したIPU。先週新たに一つ結実しているのが見つかったとご報告しましたが、じつはその後、さらにもう一つできていたのでした。三つとも育ってくれたらいいのですが、すでに育っている二つと合わせて計五つ。この時期から全部が完熟まで育つ可能性はあまり高くない気がします。三つのうち一つは、毎朝見るたびどんどん大きくなってきていて大丈夫そうですが、一つはどうもあまり変化がありません。これはダメかもと判断して、思い切って摘果しました。もう一つはもうしばらく様子をみて判断しようと思います。摘果はなかなか勇気がいりますが、大型品種では必要なことなのかもしれません。
じつはもう一つ、庭の水道近くにできていたこぼれ種の地這いIPUがあったのですが、放置していたら近くの庭木を這い上っていました。これもご多分に漏れず蔓ばかりが伸びていたので、もうこのまま終わっちゃうかなと思っていたのですが、よく見るとなにやら実ができているのを発見。しかも、どうもIPUの形ではなく、細長くて下がぷっくりしています。ん?ん? アメリカ? どうみてもアメリカ瓢の形です。でも、アメリカ瓢を育てたのは、たぶん4年か5年前。たしかにここで種出しをしたとは思うのですが、その時のこぼれ種が今ごろ発芽したということ? いや〜ビックリ。このままうまく育ってくれたら望外の喜びです。アメリカ瓢の種はあまり手に入らないので、今年ちゃんとできたら、また種を残していくことができます。さて、どうなるでしょう、でれろん。
(604日目∞ 9月27日)