ひょうたん印の国産はるさめ

by 丸黄うりほ

①スーパーで見つけた、ひょうたん印のはるさめ

②真っ赤な大ひょうたんが目を引くパッケージ

③袋の上下にあしらわれた小ひょうたんも可愛い!

 

ある日、スーパーでなんとなく乾物のコーナーを見ていたら、ひょうたんを発見!ど真ん中に真っ赤な大ひょうたんが描かれたパッケージ。袋の上下、裏表には小さなひょうたんがたくさん並んでいる!こんな直球のひょうたん物件があったとは……! しかもよく来るスーパーに普通に並んでいる……!

私は、思いがけない場所でひょうたんを見つけたうれしさと、どうして自分は今まで気がつかなかったんだろうという歯がゆさとで、しばし呆然と立ち尽くしてしまいました。

もちろん私はその商品をカゴに入れ、直ちに買い求めました。そして、家に持ち帰って再びパッケージを観察。いやー、素晴らしい。ここまでひょうたんを全面に押し出したパッケージはなかなか最近見当たりません。

ひょうたんの絵柄、模様が愛らしいだけではなく、「ひょうたん印」「はるさめ」という、太くて丸っこい書体もすてき。赤、水色、白、黒、金色、この5色の色使いもレトロでいい感じ。そういえば、このパッケージ、実家の台所で見かけたことがあったなぁと、じょじょに記憶がよみがえってきました。

袋に書かれたコピーには、「昭和十二年創業 国産はるさめ第一号です」とあります。製造元は奈良県桜井市の森井食品。裏には詳しい説明も書かれていました。それによると……。

国産はるさめ第一号の誕生

森井利平は常々「国内で入手可能な原料ではるさめを作れないか……」と考え、日夜を問わず研究と試行錯誤の末、昭和12年に日本で初めて冷凍製法による国産はるさめを完成させました。その工場が「わが国最初のはるさめ工場」となり、現在の私ども森井食品に先人の魂が永く受け継がれております。

なんと、国産第一号!はるさめって日本のものだと思っていましたが、そうじゃなかったんですね。

森井食品のウェブサイトを見ると、どうやら明治時代は奈良県に多いそうめんの製造元だったようです。それが、昭和12年に森井利平さんが考案した「ひょうたん印 国産はるさめ」が大ヒット!国産はるさめは、九州産のさつまいもでんぷんと北海道産のじゃがいもでんぷんから作られていて、中国の緑豆はるさめとは違い、日本で入手できる材料から作られている。また、冷凍製法を取り入れたことにより、調理した時に味が良くつき、舌ざわりがなめらかなのが特徴なのだとか。

商品ラインナップは、他にさつまいもはるさめ、平はるさめ、葛きり、そうめん、中国で生産している緑豆はるさめなどがあり、どのパッケージにも赤いひょうたんのマークがキラリと光っています!ひょうたん好きとしては、身近なところで大鉱脈を見つけたような気分です。

ところで、私はふだんあまり凝った料理をしないタイプで、はるさめというと鍋に入れるくらいしか思いつかなかったのですが、クックパッドなどを見ると、はるさめ料理のレシピって結構いろいろあるんですね!いろんなサラダにも使えるし、炒めて食べることもできる。

ひょうたん印のおかげで、料理のレパートリーが広がる……かも?

(589日目∞ 9月3日)

※次回590日目は奥田亮「でれろん暮らし」、9月6日(月)にアップ。

591日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、9月7日(火)にアップします。