千成でミニ二胡づくり
by 奥田亮
8月に入りました。暑いです。今年は比較的適度に雨が降っているので、菜園の水やりも少なめにしていたのですが、どうも全体には雨は少ないようで、しかも降る時はゲリラ的にどどどどっと降ってすぐに止んでまたカンカン照り。こんな降り方だととにかく毎日やった方がよさそうです。
そんななか、ヒョウタンはまずまずで、地這いのこぼれ種コボちゃんはすでに10個以上実をつけています。リンゴコンテナの一つは、百成だと思っていたら千成だったようで、かわいい実をつけました。今年は千成が豊作の予感です。UFOも無事一つ結実しました。百成はその後いくつか受粉させたのですが、どうも成長しないようで、多分このまましぼんでしまうでしょう。IPUはまだこれからのようです。でもまあ、全体にはいい感じです。
ところが、うぉ〜っ、見つけてしまいました。ウリキンウワバの青虫。いつものあいつです。これくらいの大きさのやつなら手で掴んでポイッとできるぐらいの耐性はできてきましたよ。でも、1匹見つかると10匹はいそうです。じっと目を凝らして葉っぱの裏を見ていきます。葉っぱの表に黒いフンが転がっているのが目印です。あああ、いました、いました。まだ小さいのは透明で薄緑色、葉っぱの裏ではホントにわかりません。二度見、三度見してようやく見つかります。けっきょくこの日は20匹以上をポイ、ポイっ投げました。これで終わればいいのですが、多い時は翌日もまた同じぐらい退治することになります。幸い翌日は前日に取りそこねたのが1匹いただけで見つからなかったのですが、これからは毎朝パトロールが必要です。
それにしても、ヒョウタンを植えてない時には全く出てこないウリキンウワバ。今年はここにヒョウタンが植わっているという情報をいったいどこで仕入れてどこからやってくるのでしょう? ホントに虫の世界はナゾです。調べるとヒョウタンなどウリ科だけでなく、アブラナ科やシソ科などいくつかの作物にも発生するようで、菜園的にも気をつけないといけないようです。あくまで農薬は使わず、見つけたらポイっを繰り返すしかありません。
さて、栽培と並行しての瓢活のご報告です。7月25日、千成ひょうたんで二胡を作るワークショップを開催しました。場所は「みんなの家」と名づけられたコミュニティスペース。「誰でも先生、誰でも生徒」という企画の一つとして行われました。この企画、プロアマ問わず何かを得意とする人が先生になって習いたい人に教える、というユルい企画。毎月1回開催され、先月はシルクスクリーンでTシャツづくり、来月以降、書道体験や消しゴムはんこづくり、防災に関するお話など盛りだくさんです。土偶づくりなどというのもあります。
この日は大人、子ども合わせて10人が集まりました。持ち時間は約2時間。一から全部作るのは難しそうだったので、あらかじめ材を切って穴を開けておくなど、多少の準備をしていったので、なんとか全員、本体は完成させることができました。ノコギリや刃物を使い慣れない子どもたちもいて、小刀の刃のところをぎゅっと握ったりとヒヤヒヤなこともあってどうなるかと思いましたが、全員ケガもなく終えられてホッとしました。
二胡といっても、小さめの千成で作るので、ミニ二胡になりましたが、小さいなりに蚊の鳴くような、小さなラジオか蓄音機が鳴るような素敵な音がするので、これはこれでちゃんと使える楽器だとは思うんです。こんどライブで使ってみようと思います。 ワークショップに参加される人の中には、さんざん音楽を聞いている人でも、弦の音の高低がどうやれば変わるのかを理解していない人がおられたりします。今回も、糸巻きを回して弦の張力を上げると音が上がる、ということに「へえ〜っ」と感動する人がいて、逆にこっちが感動しました。音楽は好きでも、楽器そのものに関心が向かない人にとっては、音が出る仕組みに思いを馳せることはないんですね。面白いです。
完成した楽器でドレミファソと音階が鳴ると、「曲になってる!」と喜ばれるのも、ちょっとした驚きです。しかも、なぜかペンタトニックの5音階を鳴らすより、ドレミの7音階で1オクターブが鳴ると「おおっ」となるのです。なんでだろう? 自分が感じているのと同じように、他人も感じているとは限らないんですね、勉強になります。でれろん。
(566日目∞ 8月2日)