京都東山・豊国神社と方広寺のひょうたん
by 丸黄うりほ
豊臣秀吉が千成ひょうたんを馬印にしていたことは、この日記の読者のみなさんならもうおなじみですよね! 戦に勝つたびにひょうたんの数を増やしていったとも言われていて、千成ひょうたんは立身出世や勝利のシンボルともなっています。
そんなわけで、豊臣秀吉を祀った京都東山の豊国神社と、その隣に建つ方広寺の境内では、毎年このシーズンになるとひょうたん棚が出現します。ひょうたんを栽培していらっしゃるのは「東山瓢箪プロジェクト」というグループ。この界隈に住む方々が、風情のある街並みを作るために自主的に行ってらっしゃる活動のようです。
今年のひょうたん棚はどんな感じかな? 私は7月18日、京都府立植物園訪問と同じ日にこちらにも伺いました。とてもよい天気で、神社の境内では古道具市も開かれていました。陶器や人形などに混じって、ひょうたんの置物もありましたよ。
鳥居をくぐって、まず「あっ!」と思ったのが、手水舎です。以前ここを訪れたときにも本物のひょうたんが使われていましたが、少し様子が違う。前は、ひょうたんは確か1個だけ。それに、こんなキラキラした金色ではなかったような。帰ってから去年の日記(320日目)を調べてみると、水管の竹の組み方も去年と今年では全然違っていました。今年のほうが派手になり、よりパワーアップしています。おそらく、去年収穫したひょうたんのなかから形の良いものを選んで手水舎に新たに取り付けられたのでしょう。
目当てのひょうたん棚は、今年も国宝の唐門横に作られていました。竹を組んだ棚に、苗が5本、まっすぐに伸びています。下の方の葉はきれいにカットされていて、棚の上に茂らせた葉と、そこからぶら下がるひょうたんが夏の風情を漂わせています。とてもコンパクトでスマートな仕立て方です。
さらに、豊国神社の隣にある方広寺の敷地内には、およそ10本ほどの苗が植えられていました。こちらはなかなかの豊作です。
ひょうたんの品種は、一般的には大ひょうたんとも呼ばれる百成ひょうたんのようで、整った美形あり、上のふくらみが小さいフラスコ型あり、ちょっと曲がったものあり。それぞれに個性的で、全部が可愛い。
豊国神社と方広寺の拝観料は無料。あと1ヶ月ほどはひょうたん棚が見られると思います。みなさんも、ぜひお出かけください。
(562日目∞ 7月27日)