ヒョウタンノキとショクダイオオコンニャク!

by 丸黄うりほ

①ジャングル室にあった、ヒョウタンノキ

②幹からいきなりひょうたんがなってる?

③世界最大級の花、ショクダイオオコンニャク。

④30年栽培して、開花はたったの2日間だけ!

 

 昨日に続いて京都府立植物園からお送りします。

「四季 彩の丘」でひょうたんを見た後、私は「観覧温室」に向かいました。そう、もちろんショクダイオオコンニャクを見るためです!そして、もう一つの目的はヒョウタンノキ。

ヒョウタンノキというのは、植物としてはひょうたんとはまったく別種。なのに、なぜヒョウタンノキという名前がついているのかというと……、写真①②を見てもらえば一目瞭然ですよね!

温室に入ってすぐのジャングル室にそれはありました。一見、公園などに普通に生えていそうな細めの木。枝ぶりも常識的だし、葉の形もよくある感じ。なのに、いったいなぜ?木の途中からいきなり丸い大きな実がなっています!

その実は薄い緑色をしていて、アメリカやアフリカでポピュラーな丸型のひょうたんにそっくり!

しかし、なんというか、このバランスはおかしい。この植物はなぜこんなことになってしまったのか。……などと思うのは勝手な人間の思い込みであって、自然というものはそんな偏見をかるーく超えてくるのですね。

ヒョウタンノキは、ノウゼンカズラ科の植物で、熱帯アメリカ原産。花は白っぽい緑色で、やはりひょうたんの花によく似ているようですが、いきなり幹から生えてくる。実は直径30センチほどになり、丸型やまくら型などがあり、どれもひょうたんに激似。そして、実は熟すとひょうたんと同じく外側がかたくなるので、採取して容器として使われるのだそうです。そんなところまでひょうたんと同じ。

もしかしたら、この木を1本庭に植えておいたら、毎年ひょうたんの苗を植え替えるよりいいのでは?……などと一瞬思いましたが、熱帯植物なので温室がないと育てられない。とても珍しい植物だということですから、育てるのはきっとものすごく難しいのでしょう。

ヒョウタンノキは温室に入ってすぐのわかりやすいところにありましたが、さてさて。ショクダイオオコンニャクはどこにあるのでしょう。

世界で最も大きい花、最も背の高い花といわれる花。しかも、この植物園で30年間も栽培されてきて、今回初めて花が咲いた! なのに、花はたったの2日間しか咲かない!そんなレアを集めたような花。

咲いた当日の16日と翌日17日は開花を記念して温室への入場が無料になり、ただし鑑賞はゴッホなみの一人30秒と聞いていました。花が開くとともに、なんともいえない独特の腐臭が漂い、温室はその臭いで満ち満ちたとか……。そのせいで、原産地のスマトラ島では「死体花」とも呼ばれるのだとか……。

私が訪れた日は18日で、開花3日目でしたから、ひょっとしてもう跡形もなくしぼんでしまったのかな?

……そんなことを想像しながら温室をぐるぐる巡っていくと、出口に近いあたりに、その花はありました!

ニュースで見た写真よりも花びら部分が閉じてはいますが、まだまだ立派でした。そして、噂の臭いはかなり薄まっていてそれほど気になりません。鑑賞時間の制限も解かれていて、じっくりと見ることができました(写真③④)。

開花3日目のショクダイオオコンニャク、意外とラッキーだったかも!

(560日目∞ 7月21日)

 

「ひょうたん日記」は7月22日から25日までお休みをいただきます。

次回561日目は奥田亮「でれろん暮らし」、7月26日(月)にアップ。

562日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、7月27日(火)にアップします。