コボちゃん、八ちゃん、瓢遊さん

by 奥田亮

地這いのコボちゃん。花が咲きました。

IPUの八ちゃんはまだ小さな本葉が5枚。

 

7月に入りました。ヒョウタンをはじめ、ウリ科にとっては、もっとも成長する時期。カボチャの仲間ズッキーニは次々と実をつけ、採り時を逃した実は市販の2倍以上の大きさ、キュウリもどんどん黄色い花を咲かせています。収穫を終えたタマネギを植えていたところにトウモロコシを植えようと思っていたのですが、どうも既に遅かったようで、苗がどこにも売っていません。トウモロコシはあきらめて大豆を植えることにしました。

我らがヒョウタンは、成長の早い苗にようやく子蔓が伸びはじめたところです。一番の成長株、こぼれ種1号のコボちゃんは、子蔓がどんどん伸びてきたので、3本だけ残してあとは摘心。ようやく花が咲きました。いよいよ孫蔓が伸びて版図を広げていくわけですが、うまく誘導しないとぐじゃぐじゃになるのは目に見えています。毎朝注意深く蔓の進み具合を観察しないといけません。8番目にりんごコンテナに植えたIPUの八っちゃんは、まだ小さな本葉が5枚。ううーん、間に合うのか…。本編「ひょうたん日記」によれば、関西方面では無事授粉を終え結実したとの報告が増えてきていて羨ましいです。

さて、今週はとくに目立った瓢活もないので、何を書こうかなと思っていたのですが、ふと思い出したのが、もう十数年前になりますが、大阪歴史博物館でひょうたん楽器の演奏をした時のことでした。あれは何だったのかなとホームページを調べてみましたら、ありました、ありました。

特集展示「大阪の料亭主人、瓢箪を集める!—幕末の茶道具、書画、骨董品—」(大阪歴史博物館, 平成19年)http://www.mus-his.city.osaka.jp/news/2006/hyotan.html

江戸時代後期から明治にかけて、料理旅館「瓢箪屋」を営んでいた宮里家の幕末の当主が瓢狂いで、自ら瓢遊と号し、ひょうたんグッズの収集に執心し、宿の調度品にもひょうたんがあしらわれているものがたくさんあったとか。その時の演奏は、展示室の中で当時のひょうたんグッズに囲まれて、フレイムハウスのミサ子さんと、Q氏も一緒に出ていただいたのでした。

そういえばその時、「奥田さん、〈今瓢遊〉って名乗ったらええんとちゃいますか」と言われて、いやいやめっそうもないとお応えした覚えがあります。令和大阪の〈今瓢遊〉は、ひょうたん日記の主、丸黄うりほさんが相応しかろうと思いますが、いかがですか、丸黄さん、でれろん。

(548日目∞ 7月5日)

  • 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。