ウリとカボチャとひょうたんの関係

by 丸黄うりほ 

①ひょうたんみたいな形のウリを買いました

②二つ割にしてタネをとったところ

 

ウリ科植物同士は交雑しやすいといわれています。そして、ウリやキュウリ、カボチャやズッキーニがひょうたんと交雑すると苦味が出ます。その苦味の正体はククルビタシンという毒成分。そう、ひょうたんは食べられないだけでなく、その強い苦味は食中毒を引き起こす毒なのです。

先日、私はスーパーの産地直産品コーナーで、ひょうたんっぽい形の野菜を見つけました。品名は「ウリ」となっています。めっちゃ可愛いやん、と思って買ったんですが、買ってから思い出したのが、去年同じコーナーで買って失敗したひょうたん型のカボチャのこと。

そのカボチャは、もともとひょうたん型をした品種であるバターナッツでも鹿ケ谷かぼちゃでもなく、たんに「カボチャ」として売られていました。こんなカボチャもあるんだなぁと思いつつカレーにしたんですが、なんと苦い!これはあかんということで、作りたてのカレーをそのままごっそりと捨てました。悲しかった……。強い苦味があるということは、ククルビタシンが含まれるということ。そして、その形から推測できるのは、「ひょうたんと交雑したかもしれない」ということなのです。

なので、今回のウリは調理前にチェックをしました。まず、二つ割にしてみると、タネがふくらみのところに集まっています。これはひょうたんのタネと同じパターン。もしかしたら危ないかもと思いつつ、一切れを口に入れてみました。

……苦くない。ぜんぜん苦くない。大丈夫だ。三切れほど食べてようやく疑いが晴れたので、浅漬けにしました。しゃきしゃきとして、とてもおいしいウリでした。疑ってごめんよ。

ところで。ひょうたんと、ウリ、カボチャは、植物としてはどのくらい近いものなのでしょう。交雑するということは、お互いの雌花と雄花が入れ替わっても子ども(実)ができちゃうということですよね。

調べてみると、ひょうたんは、ウリ科トウガン連ユウガオ属。同じ属の植物は、かんぴょうの材料となるユウガオです。かんぴょうは甘瓢と書き、苦くないひょうたん、つまり毒のないひょうたんだともいえます。植物としてこのくらい近ければ、まあ混ざるのもわかる。

ウリ(シロウリ)は、ウリ科トウガン連キュウリ属。キュウリ、メロンもこの属に入ります。ひょうたんとは属が違う。なのに混ざってしまうんですね。

カボチャは、ウリ科カボチャ連カボチャ属。ズッキーニもここに入ります。こちらとは属どころか連まで違う。なのに混ざってしまう。ウリ科植物って適当というか、柔軟性があるというか……。

ちなみに、カボチャ属の植物には食べられるカボチャ以外にペポカボチャと呼ばれる飾り物のカボチャがあり、これが英語では「gourd」と呼ばれて、食べられるカボチャの「pumpkin」と区別されています。そして、「gourd」を日本語に訳すと「ひょうたん」または「ウリ」となる。

あれっ?英語の「gourd」も交雑してる?

(541日目∞ 6月24日)