ドミティアヌスはボケです……。

by 丸黄うりほ

①イプのドミティアヌス。蔓がベランダを占領

②南端に到達した子蔓を摘心しました

③こっちは北側、後2日ほどで摘心かな

④真ん中のちっちゃいのが花芽。蔓ボケですね……

⑤肥料にはいろいろな種類がある。追肥って難しい

 

ヒョータニストさんたちのひょうたんが各地で花を咲かせ、ぼちぼち実を結び始めているというのに、我が家のひょうたん、イプのドミティアヌスには、まったく花の気配がありません……。

だからといって元気がないのではありません。蔓は旺盛に伸びて、ついにベランダ全体を占拠しました。毎年、私が自分のひょうたんにローマ皇帝の名前をつけているのは、ひょうたんの蔓がベランダを全面的に、暴君的に支配するからであります。まあ、「高貴な植物」であるというのもありますが……。そんなことを言うと、ひょうたん狂以外の人からは「ぷぷっ」と笑われそうではありますが、わりと本気でそう思っているところもあり。

まあ、それはおいといて。

写真①をご覧ください。これが現在の我が家のベランダのようすです。中央に置いたプランターから、南側と北側に1本ずつ子蔓を伸ばしました。ベランダは西向きで全長6.4メートル。南の子蔓はベランダの端に達したので本日摘心しました(写真②)。北の蔓も後2日ほどの間に端まで達し、摘心することになると思います(写真③)。たった1本の苗からこんなに蔓が伸びてくるなんて、まるで手品のようですよね!

葉は大きいもので直径30センチあります。緑色も濃く、たくましく育っています。去年栽培していたひょうたんは、梅雨の晴れ間に葉が下向きになって萎れるという症状が出て、菌による悪い病気になってやしないかとやきもきしたのですが、今年のひょうたんにはそういった症状はありません。ところが、心配事って毎年なにか出てくるんですよね。今年は、冒頭にも書きましたが花の気配がない(泣)。

写真④を見てください。葉の付け根部分から、ちっちゃーい芽が出ていますが、これが花芽。その上に出ている若葉の束が蔓になる脇芽。栄養のバランスがよい蔓だと、この二つの芽が出てきた時にだいたい同じくらいの大きさをしているのです。なのに、ドミティアヌスにはこんなに差がついています。花芽が小さい。小さすぎる……。

蔓ばかり伸びて花が咲かない。こういうのを蔓ボケといいます。じつは、我が家ではベランダの形に合わせて子蔓を早く伸ばすために、毎年やや蔓ボケ気味に育てています。とはいえ、今年はそれがかなり重症です。原因として思い当たるのは、追肥の失敗です。

肥料にはいろんなタイプのものがあり、成分もさまざまです。成長にあわせて選んで与えるのですが、追肥で油かすを選んだのがよくなかった。油かすは葉や蔓をしげらせるのに有効なチッソ成分が多く、しかも固形の化学肥料よりも即効性があります。去年は固形の化学肥料を選んでうまくいった。今年は、がんがんに油かすが効いている状態。

その後、チッソを含まない肥料を与えて中和させようとしましたが、反応薄いです……。次に出てくる孫蔓には、ちゃんと花芽がついていればいいのですが……。

頑張れ、頑張れ、頑張ってくれー! 11代ローマ皇帝、ドミティアヌス!

(540日目∞ 6月23日)