どうして背が伸びないの?ドミティアヌス

by 丸黄うりほ 

▲我が家のひょうたん、イプの「ドミティアヌス」

▲本葉6枚、巻きひげも出てきました

▲葉っぱ型をした脇芽と、小さな突起のような花芽も出ています

 

「ひょうたん日記」5月12日13日に定植を報告した、我が家のベランダひょうたん、イプの「ドミティアヌス」。

私は毎年ひょうたんの栽培記録をつけているのですが、昨年のひょうたん「ティトゥス」もだいたい同じような時期に定植していました。そして、「ティトゥス」の場合は去年の5月27日の日記(278日目)で親蔓の摘心をしています。親蔓の摘心は、ラティスの高さに合わせて鉢底から1メートル、土の上から計って蔓が70センチほどに到達したら行うことにしています。毎年だいたい定植から2週間ほどでしていることが多いようです。

ところが、今年の「ドミティアヌス」はまだ34センチしかありません。摘心にはまだまだ日数がかかりそうです。写真を見ていただくとわかるように、葉は大きくなっており、いちばん大きいもので直径24センチにも達しています。現在、完全に展開している葉は6枚で、7枚目以降の葉は巻きひげと一緒に束になっています。

定植してすぐに展開した4枚目の葉は少し色むらがあり、気になったので「リキダス」という活性剤を与えました。これは肥料ではなく、養分の吸収を高めるコリン、フルボ酸、各種アミノ酸を配合したもの。ミネラルがうまく吸収できていないとき葉に色むらが出るという情報を得たので与えました。効果があったのか、その後に展開した葉は色むらもなく、つやつやしてきれいです。

葉の付け根には脇芽と花芽もしっかりと準備を始めていて、茎も太い。双葉も健康。全体的に見ると生育は悪くないと思います。ですが、なぜか背が伸びず、体型がずんぐりしている。これは一体どういうことでしょうか?

その原因を私なりに考えてみました。

仮説一つ目は、「定植が早かった説」です。

いつもはだいたい本葉4枚か5枚で定植をするのですが、今回はちょいと気持ちが焦って本葉3枚で定植しました。園芸本によっては3〜4枚で定植、5〜6枚で定植と書かれていたりもしますが、標準は4、5枚だと思います。なぜ、この枚数なのかはちゃんと理由があります。それは、本葉1、2枚だとまだ苗に抵抗力がない。なので、害虫や病気、寒さなどにやられやすくなる。反対に本葉6枚以上になると巻きひげが出てきます。これはすでに時期を逃している証拠で、ひょろりとした弱い苗になりがちです。

仮説二つ目は、「水が少なかった説」です。

ひょうたんの苗に水をやりすぎ、日光が弱いと、ひょろひょろと丈ばかりが伸びます。それを徒長というのですが、昨年の「ティトゥス」をはじめ、我が家のひょうたんはいつもやや徒長気味でした。なぜかというと、ベランダが西向きなので午前中の日光がもともと弱い。ひょうたんが最も育つのは午前中です。そこで、今年は思い切ってかなり水やりを控えることにしました。そのために例年よりもがっしり体型になった?

仮説三つ目は「天気が悪すぎる説」です。

今年の近畿地方は、統計開始以来最も早い梅雨入りになりました。去年よりも25日も早いらしい。梅雨が早いということは雨や曇りの日が多く、日照時間が短くなります。当然気温もあまり上がりません。ひょうたんが最も好むのは気温25℃から30℃なのですが、いま温度計を見たら20℃しかない。15℃以下になるとひょうたんは弱ります。例年に比べて日光が弱く、寒すぎるのが原因かも?

仮説四つ目は「そういう品種説」です。

私は今までいろいろな品種のひょうたんを栽培してみましたが、今年の品種・イプに挑戦するのは初めてです。イプはハワイのひょうたんで、タネの様子からしてちょっと個性的でした。双葉も、日本でよく栽培されている百成ひょうたんや千成ひょうたんに比べると肉厚で大きく、葉先がくるんとカールしている。本葉は丸くてほとんど円形です。そんなわけで、もしかしたら、もともと葉と葉の間隔がつまった、ずんぐりとした体型に育つひょうたんなのかもしれません。

うーん、考えられるのはこのくらいでしょうか。このなかに正解があるのか、ないのか。それもよくわからないのですが、ともかく見守っていくしかありません。みなさんも、ぜひイプ「ドミティアヌス」の今後の成長を応援してやってくださいね!

(521日目∞ 5月27日)