6月末で見納め「太閤園」のひょうたん
by 丸黄うりほ
昨日の続きです。太閤園・迎賓館の「カフェブリエヴェール」で「瓢箪ちらし弁当」をいただいた私と友人は、親切なスタッフの方の案内で淀川邸を見学することができました。
淀川邸は、藤田男爵の邸宅のうち東邸と呼ばれていた部分で、現在13の個室からなる料亭となっています。写真1枚目の重厚な建物、ここが入り口。
なかに入らせていただくと……。
じゅうたんの柄が、いきなりひょうたんです!このひょうたん模様は玄関から奥までずっと続いています。スタッフの方によると、かつてはもう1パターン、大きいひょうたん模様のじゅうたんもあったそうですが、現在はなくなったとのこと。うーん、残念。
そして、玄関の近くにある障子がひょうたん型です!ここは藤田家で使われていた塗り物の小さな展示スペースになっています。そのほか、廊下に飾り物のひょうたんも見つかりました。
思っていたよりも淀川邸内のひょうたん物件は少なかったんですが、お部屋はどこも異なる趣があってとても素敵でした。とくに大宴会場「羽衣の間」には能舞台も備えられ、明治・大正期の贅沢三昧を想像することができました。
築山式回遊庭園は一般開放されていて、時間内なら自由に散策することができます。なんという太っ腹!
庭園には「心」という字に配置されている4つの池があり、そこにかかった一枚岩の橋を歩くことができます。よく手入れされた植栽、藤田家の人々が収集した古美術、仏像や石塔、灯篭や奇石などをゆっくり鑑賞することもできるのです。
なかでも私の目当ては、一枚岩にひょうたん型をくり抜いた「瓢箪石」。じつは私が前回この庭を訪れたときからだいぶ時間がたっていて……もう5年くらいはたっているでしょうか……、庭全体の記憶はぼんやりしていたのですが、この岩のことだけはくっきりと覚えていました。今回も、記憶とほぼ違わない姿でそこにひょうたんがあるのを見て、なんだかほっとしました。
雨が少し強くなってきたので館内にもどると、藤田邸と太閤園の歴史を綴ったパネル展示があるのに気がつきました。そのイラストの庭園案内図にも「瓢箪石」が描かれていたのでしっかりと写真に収めました。同行の友人も今度は「ひょうたんアイ、さすがやな!」と褒めてくれましたよ。
(517日目∞ 5月21日)
※次回518日目は奥田亮「でれろん暮らし」、5月24日(月)にアップ。
519日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、5月25日(火)にアップします。