思い切って、切る
by 奥田亮
ここでの日常生活は、朝の家庭菜園でのプチ畑仕事を除けば、本屋の店番、デザインや編集作業など、ほとんどが座り仕事なので、運動のため散歩は必須の日課です。暑い季節になると天気がいいのに散歩中に濡れ鼠になることがたまにあります。
散歩コースにはリンゴ、栗、ブドウなどの畑があちらこちらにあり、スプリンクラーで散水している畑に出くわすのです。畑にだけに水がかかるようになっていればいいのですが、そうもいかないようで、周辺の道にまで勢いよく水が降り注ぎます。くるくると廻りながら散水するスプリンクラーの回転周期を見計らいながら、水のかからないタイミングで一目散に駆け抜けるのですが、たまに失敗して水をかぶることがあるのです。けっこうスリリングです。例年もう少し暑くなってからだったように思うのですが、今年は5月のこの時期にもう始まったようです。
ヒョウタンの苗は1週間経ってさらにまた発芽した種もあり、品種がわからなかった種も1つ発芽しました。きっと千成だと思います。当初は、UFO 、IPU、百成の3つを植える計画でしたが、せっかくなので千成も植えることにしました。苗はまだ双葉の状態なので、定植するのはもう少し先になりそうですが、あんまり遅いと生育が遅くなるので、防寒、虫除けを施して早めに定植したほうがよさそうです。
畑は夏野菜の定植の時期。定番のキュウリ、ナス、トマトの苗を買ってきました。キュウリはヒョウタンの近くに植えると苦くなるらしく、またヒョウタンも形が悪くなるようなので、定植の場所を考えないといけません。
さて、先週振り出しに戻った楽器づくりは数日小休止していましたが、気をとりなおして再び始めました。作っているのはインドの楽器タンブーラもどき。帽子型の糸巻きは面白いので残しておきたい。でも前回のように輪っか状にしてはめ込む方法だと強度的に無理そう。ということで、思い切ってヒョウタンを切って糸巻き帽子をはさみ込む形にしてみることにしました。
写真のように色んなことをやってみていますが、これが効果的なのかどうか、やはり確信のないまま進んでいます。楽器なんだから、ここはどうでもいいんですが、帽子のツバのぐねぐねを作るのに時間がかかっています。まあ、こういうところも案外大事ですね。早く弦をつけて張力に耐えるのか試してみたい気持ちをぐっと押えて、次は帽子に色を塗ろうと思います。
弦の入口と出口をどうするか、どこに何本張るか、まだまだ課題満載です。 楽器の名前は、タンブーラをもじってなんかないかなと考えていたのですが、どうもいいのが思いつきません。倍音がビリンビリン鳴るので、《ビビリンチョ》にしようかな。いや、もうちょっといい名前にした方がいいか……、でれろん。
(513日目∞ 5月17日)