「ゆげひょうかん」という柑橘をいただきました!
by 丸黄うりほ
大きめのレモンのような形をした、珍しい柑橘をいただきました。
その名も「弓削瓢柑」。私の学生時代からの友人で、毎年我が家のひょうたん苗を引き取ってくださるヒョータニストでもあるK・Fさんが、近くのスーパーの産地直産品コーナーでこれを見つけ、メールをくださったのです。
「こんなミカンを見つけました。「瓢」の字を見て、これはお知らせしておくべきかと」。
「瓢」の字を見て、すぐさま私を連想してくださったのですね。ありがとう!ありがとう!
「弓削瓢柑」と漢字で書くとまるで江戸時代の戯作者のようですが、「ゆげひょうかん」とひらがなで書くと、夏になったら和菓子店の店先に吊るされる「ひやしあめ」とか「みずようかん」のようなつるりとした感触があります。いずれにしても、「瓢」の字が一字入るだけで、日本語は楽しく魅惑的になる。と言うと、反論の向きもあるかもしれませんが、とりあえずここではそのように断定しておきます。
調べてみると、「弓削瓢柑」はどうやら文旦から自然交配でできた品種らしいです。台湾から渡ってきたという説もあり、瀬戸内海の弓削島に残っていたものがもとになっているため、この名がついているらしい。くびれはありませんが、縦に長いひょうたん的な形をしていることから「ひょうかん」と呼ばれているようです。
「弓削瓢柑」は、なんといっても香りが素晴らしい。系統としてはグレープフルーツの香りに似ていますが、もっと強く、甘く、深みがある。この日記に載せるために写真を撮ったのですが、その配置を変えるために少し果実にふれただけで、指先に香りがうつって、ふわっと爽やかな香りが漂うほどです。アロマテラピーに使えそうな、ずっと嗅いでいたいようないい香り。
皮はそれほど厚くなく、手で簡単にむけます。実はすっきりとした甘さで、みずみずしく、レモンのような鋭さはありません。はっきり言って大変おいしい。もっと食べたい。
ですが、この「弓削瓢柑」は本当に生産量が少ないようで、1年のうち4月と5月にほんの少量出回るだけらしいです。おそらく作るのが難しいのでしょうね。
見かけたら幸運です。ぜひ買って味わってみてください。
(509日目∞ 5月11日)