毛馬桜之宮公園の「ひょうたん池」
by 丸黄うりほ
近々売却されることが決まったらしく、いまニュースや巷の話題になっている太閤園。もともと藤田財閥・藤田伝三郎によって建てられた広大な藤田邸の敷地が分割されて、今の太閤園や藤田美術館などが建っているそうですが、その北西部に残されているのが藤田邸跡公園です。
藤田邸跡公園のすぐ外側は誰でも自由に出入りできる公共の毛馬桜之宮公園になっています。そこに「ひょうたん池」という名称の池があると聞きました。
先週末の土曜日、私は「ひょうたん池」を探すついでに大川沿いを散歩して、雨で散ってしまう直前の桜の花見をしました。今年は本当に暖かく、ほぼ葉桜ですが、なかなかきれい。
桜並木をゆっくり歩いていると池が見えてきました。どうやらこれが「ひょうたん池」らしい。
予想していたよりもずっと大きな池でした。ゆるい感じにふわっとカーブを描く、細長い形。ちょうど頭から四分の一くらいのところに赤い橋がかかっていて、それがひょうたんを結わえる紐のようにも見えます。
この細長い形から連想するのは、長ひょうたんですね。いわゆる標準的なひょうたん型ではなくて長ひょうたんの形をしているところが、ちょっとシブイ。ひょうたん通の気配が感じられます。
池の淵には飛び石が、真ん中には家の形をした石があることから、この「ひょうたん池」も、もともとは藤田邸の庭の一部だったのではないかと思います。なんという名前かわからないのですが、白っぽい色の鳥が入れかわり立ちかわりやってきて遊んでいるのも微笑ましく。
橋の上から池の反対側を眺めると、細長い形が川のようです。周囲に植えられた桜並木と新緑がいかにも春らしいのどかな風景。風が吹くと桜の花びらがはらはら舞い散り、水面に浮かんだ花びらもふるふる揺れています。
ひょうたんの頭の部分は蓮池になっているようでしたが、今はシーズンオフ。蓮の花が咲く季節になったら、また違う風情が楽しめそうです。大川のほとりにこんないいところがあるなんて知らなかった。また来ようと思いました。
(488日目∞ 4月6日)