予約必至!行列のできる空也もなか(その2)

by 丸黄うりほ

▲空也もなかと生菓子。包み紙もひょうたんモチーフ

▲生菓子「黄味瓢」と「空也双紙」

▲空也もなかの中箱

▲可愛すぎる太ったひょうたん!

▲10個入り。斜めに並んでいる

▲もなかはふっくらとしたひょうたん型!

 

銀座「空也」で、もなかと生菓子を無事に入手した私。もなかは日持ちがするけど、生菓子は買った日のうちにいただかないと。というわけで、まずは小さい箱のほうを開けました。

生菓子は季節によって、また日によってラインナップがかわるのですが、ぜひ味わってみたかった「黄味瓢」と「空也双紙」はこの日もありました(写真2枚目)。夏目漱石が愛したという「空也餅」は季節外れで残念。

「黄味瓢」は、ころんとまるいひょうたん型。たまごの黄味にも似た色と形をした練り切りです。ひょうたんの口部に、タネ出しをするときに開けるような穴があって、それ以外には飾りをつけていないシンプルなデザイン。上品ですっきりとした甘さで、さすがのおいしさでした。

「空也双紙」は、「空也」という文字が型押しされた薄いカステラ生地で粒あんを挟んだお菓子。生地の部分がもっちりとしていて、これまた逸品。抹茶や日本茶だけでなく、紅茶やコーヒーにもよく合いそうです。

さて、いよいよ次は本命のもなかです。ひょうたん柄の包み紙を取ると、箱の掛け紙にもひょうたんが現れました。紙を広げると、このひょうたんがまたまた超絶可愛い!(写真3枚目、4枚目)

掛け紙の文字は「阿ま美調進所 銀座 六の七 電3571 三三〇四 くうや」と書いてあるようです。ネットで調べると、明治から大正にかけて活躍した書家の永井素岳によるものという説がヒットしましたが、「空也」が銀座に移転したのは戦後という情報もあるので、本当のところはちょっとわかりません。

箱を開けると、10個のもなかが斜めに並んでいました。横二列に並べないのは、ひょうたん型もなかの上部を壊さないようにという配慮からでしょう。

ふっくらとしたひょうたん型のもなかは、皮がパリパリとしてとても香ばしい。餡はほどよい甘さ。ちょっと小さめなのもいいですね。これはリピート買いしたくなります。行列ができるのも道理だなと思いました。

ところで、昨日の日記で書いた空也上人について。このお店の屋号との関係が、もなかに付けられたしおりに書かれていました。

「屋号は、たまたま初代が関東空也衆の一人であり、その仲間の援助で最中を主として生菓子を始めましたことから、空也念仏に因んで空也とさせていただきました」

現在は四代目ということですが、初代ご店主が関東空也衆の一人だったとは!空也衆が京都や畿内だけでなく関東にもたくさんいたということが、このことからもわかります。ガラスケースに立てかけられていた鹿の角とひょうたんのついた杖は、初代の持ち物だったのでしょうか。

(479日目∞ 3月24日)