機械もひょうたんと同じ。愛が必要
by 丸黄うりほ
このご時世でかなり機会が減ってはいるのですが、2月は「オール電化ひょうたん」のライブを2回しました。「オール電化ひょうたん」というのは私のソロプロジェクトでして、自分で育てたひょうたんから音のなるものを作り、それで音楽のようなものを演奏します。ひとりきりなのでルーパーという録音/再生機にかなり頼って音づくりをしています。
そのルーパーが、2月中旬のライブのリハーサルで突然鳴らなくなりました。その日の朝、自宅で行なっていた練習の時はいつも通りに動いていたのに。私はあせりました。会場のPAさんにアドバイスいただき、アウトプット用のシールド(機械同士をつなぐ線)をかえてみたら音が出たんですが、本番中にまた同じ現象が一瞬だけですが起こりました。
ルーパーが故障したのかな?と思ったんですが、「もしかしたらジャックかシールドに汚れがついているからかも?」と、共演者さんにアドバイスいただき、「えっ?機械って掃除しないとあかんの?」と初めて知った私……。
PAさんには、こんなふうにも言われました。「人間だったら相手が調整してくれることもあるけど、機械はこっちの扱いがそのまま出る。愛情が必要なんですよ。ひょうたんと同じだと思いますよ?」
うわぁ、そうだったのか。この言葉は衝撃でした……。とくに、「ひょうたんと同じだと思いますよ?」というところが、頭の中でぐるんぐるんしました。私の弱点、ぐさっとくるポイント、よくわかってらっしゃるわ。
そんなわけで、私は深く反省し、ルーパーを掃除した上で楽器屋さんにみてもらいました。すると、意外なことに「故障してない」との診断でした。でも、念のためと思い、中古ですが同じルーパーをもう一台買いました。シールドも新しいのを1本買い、2月下旬、別の場所でのライブでは新しいルーパーと新しいシールドで臨みました。
ところが、やはり本番になって一瞬だけですが音が出なかったんです。ということは、変えたのと別のシールドに原因があるのか?あるいはルーパーの前に通しているミキサーが原因かもしれません。接触不良っぽいので、おそらくシールドのような気はするのですが、まだ真の原因はつかめていません。
どちらにしても、機械がこんなに気分屋だとは。そして、愛情といたわりが必要なものだったとは……。
「ひょうたんと同じ」。この警句を私は一生忘れないと思います。ありがとう、気づかせてくださったみなさん。そして機械たちよ。
(470日目∞ 3月11日)