大阪府章は千成ひょうたんだった!
by 丸黄うりほ
昨年10月に「ひょうたん日記」でレポートしたひょうたんな街・滋賀県長浜市の市章は、ひょうたんがモチーフ。街を歩けば、橋にもマンホールにも建物にもひょうたんが見つかります。というのも、ここには豊臣秀吉ゆかりの長浜城があり、その秀吉が千成ひょうたんを馬印にしていたからなのだとか。
豊臣秀吉ゆかりというなら、大阪にも大阪城があります。ですが、残念なことに大阪は長浜ほど「ひょうたん推し」の街じゃない。まあ一応、JR新大阪駅には千成ひょうたんのモニュメントがあるし、大阪市北区の扇町通でひょうたん柄のマンホール一基を発見してはいます。けれども、行政がひょうたんを大プッシュしている長浜市とはかなりの温度差があるように思う。
東大阪市の瓢箪山は例外的に「ひょうたん推し」の街ですが、ここは行政というよりも瓢箪山稲荷神社と、その参道商店街の圧倒的なひょうたん愛に支えられている。JR森ノ宮駅周辺にも小規模な「ひょうたん推し」商店街がありますが、こちらも民間によるものだと思われます。
そんなわけで、私は大阪民の一人として、大阪府や大阪市ももっとひょうたんを愛してくれたらいいのになと思っていました。
そんな折、ちょっと調べ物をしていて大阪府のウェブサイトを見たら、「大阪のシンボル」という項目がありました。大阪府の鳥は「もず」、木は「いちょう」、花は「梅」と「さくらそう」、そしてゆるキャラは「もずやん」というらしい。ふーん、あっそう。それで大阪府の府章は?
えっ?
これ、千成ひょうたんなの?
なんということでしょう、灯台下暗しとはまさにこのことでありました。
大阪府のウェブサイトにはこのように書かれています。
太閤さんの「千成びょうたん」を図案化したものです。大阪(OSAKA)の「O」を基礎にして、希望(明るく)・繁栄(豊かで)・調和(住みよい)を上に伸びる3つの円で表しています。昭和43年6月21日の「府政100年の日」に定められました。
また、大阪府例規集にも「大阪府の府章」という項目があり、上記と同じような内容のほかに、
商都大阪の繁栄の基礎をつくった豊太閤にちなむ「千成びょうたん」を抽象図形化しながら、全府民の連帯性とその力の結集による無限の可能性を表象したものである。
とあります。さらに「府章の書き方」まで解説されているのです(昭和43年6月21日 公告第175号)。
そうか。そうだったんですね……。
でも、みなさんちょっとアップした写真を見てください。これは「大阪府立中之島図書館」で撮影してきたものなんですが、このマークを見てひょうたんだと気がつきますか?
まあ、言われてみればそうかも……という感じもしますが、抽象化されすぎていて、なかなか難易度が高いと思います。せめて下の「O」が大きめだったら、もうすこしひょうたんらしく見えたかもしれない。
……いやいや、そんなに文句ばかり言わんときよ、私。
そうやね、気つかへんかった私が悪かったわ……。ごめんね大阪府章。
(459日目∞ 2月24日)