瓢箪山稲荷神社の「節分祭」
by 丸黄うりほ
一昨日に続いて、2月2日の節分の話をもうひとつしますね。
今年の東大阪市の瓢箪山稲荷神社の「節分祭」は、例年のように福豆まきや福餅つき、甘酒や音頭の奉納がなく、神事のみだという情報を事前に得ていました。私は、その神事にも時間的に間に合いそうになかったので、「今年の節分参りは無理かな、午の日に参れたらいいかな」と、あきらめかけていたのですが……。
神戸のひょうたん寺「融通尊寺」にお参りした後、胸の内に「いや、やはり今日。瓢箪山にもお参りしたい!」という気持ちがむくむくと起こってきたのです。
というわけで、阪神電車に乗り、今度は神戸三宮から東大阪方面へと向かいました。車中で、十三のおいしいたこ焼き「ひょうたん」の店主さんが、瓢箪山のことを話題にされていたのを思い出し、「あっ。私、あの店主さんに影響されたな」と思いました。(詳しくは448日目の日記を見てくださいね)
阪神と近鉄が乗り入れて便利になったおかげで、午後3時ごろには近鉄瓢箪山駅に到着できました。思っていたよりも早い! 駅前のひょうたん池やモニュメント、ひさごっち(時計)など、ひょうたんモチーフがあふれるこの街にやってくると、私は心からほっとします。第二のホームタウンに来たかのような安らぎ感。
「瓢箪山稲荷神社」一の鳥居と三の鳥居の近くには、金と銀の大きなひょうたんをかたどった看板が立っていました。「節分祭」「初午大祭」という赤い文字が見えます。キツネがひょうたんを持っている可愛いポスターも貼られていました。しかし、看板にもポスターにも、やはり「神事のみ斎行」という張り紙がありました。
境内はとても静かでした。神事もすでに終わり、人影もまばら。私はお参りをすませてから立ち寄った社務所で、またまた可愛いひょうたんのお守りに出会ってしまいました。
その名も「厄除金瓢かんざし守」。竹のかんざしの間に厄除のお札がはさまれ、てっぺんに2センチほどの小さな金色のひょうたんがのっています。説明書きによると、「神苑の竹を伐り出し、正月の間、境内に立てていたものを神職が一つ一つ割いてかんざしを作り、すべて手作りしたもの」なのだとか。しかも、節分から旧二の午(4月4日)までの間だけ授与される期間限定のお守りなのだそうです。
京都、神戸のひょうたん寺といい、瓢箪山稲荷神社といい、節分には「ひょうたん守り」なのですね。鬼を払い、福を呼び込む。その福のシンボルがひょうたんということなのでしょう。
ところで、瓢箪山稲荷神社はもともとひょうたん型の古墳だったところに建てられた神社で、本殿(主祭神)のほかにもたくさんの境内社があります。この日、裏手にある戸川神社(保食大神)のお賽銭箱にもひょうたんマークがあるな、と思いつつ、境内社を一つ一つ注意深く見ていたら、南の竹林のそばの石碑にも六ひょうたんを見つけることができました。
その石には鳥居があり、「玉菊大明神 千成大明神 吉秀大明神 小雪大明神」という4つの神様の名前が掲げられていました。そのなかで最も気になったのはもちろん「千成大明神」です。この方たちはどういう神様なのかな?そして、ここに4名一緒に祀られているのはなぜ?
またまた新たな謎が……。
ひょうたんは奥深く、謎は果てしない。
(452日目∞ 2月12日)
※次回453日目は奥田亮「でれろん暮らし」、2月15日(月)にアップ。
454日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、2月16日(火)にアップします。