ひょうたんから駒った

 by 奥田亮

今年買ったダルマ

小布施皇大神社「安市」達磨御焚上

「安市」のお練り。猿田彦が皇大神社の周囲の道を真剣で縄を切って歩く。本来なら例年はこの後にお稚児さん、山伏が続く。

お正月仕様は17日までで終わり、きょうから静かな冬の日々がはじまります。前回、こちらでは初詣の風習もなく、正月は静かですとお伝えしましたが、じつは新年の賑わいはすこし日程がズレて、毎年1月14日、15日にやってきます。町の中心地にある「皇大神社」で「安市」という行事が開かれるのです。この両日は境内いっぱいにダルマを売る店が並び、お神楽があり、露天商や商工会のイベントなどで賑わいます。15日には猿田彦の先導でお稚児さんや山伏が歩く「お練り」、火渡りの神事などが行われ、北信地方の新年の風物詩として近隣からも大勢の人がお参りされます。この日は小学校も休みになります。

時節柄、今年は開催しないのかなと思っておりましたが、規模を縮小して開催となりました。お練りは簡易バージョン、火渡り神事はナシ、ダルマは売るけれど飲食の露天はナシ。例年に比べると寂しさを禁じ得ませんでしたが、それなりに賑わいました。

そして、今年ダルマ市で購入したダルマは、ちょっと大きめで、どでんと下が大きい台形型。どうして2つ買ったかというと、右と左が必要だからでありました。右と左って? そうです、スピーカーにするのであります。片岡祐介さんが開発した「純セレブスピーカー」のダルマバージョンで、これがとてもいい音なのです。去年も作っていて、今年はちょっと大きくしてまた作ろうと考えたのでした。

店先であれこれ物色していると、この、下がどっぷり大きな形が低音を響かせてくれそうな気がして、ちょっとお値段は張りましたが、2つなら値引きしますよという誘惑に乗せられて買ってしまった次第であります。このダルマさん、耳もついてます。これはスピーカーにぴったりではないですか。去年のは思い切って御焚上げしていただきました。

さて、ギタースタンドの導入によって画期的に効率が上がったひょうたん楽器ライフ。それを待っていたかのようなタイミングで、エキセントリックな音楽家、野村誠さんから、オンライン即興演奏のお誘いがありました。野村さんと東京藝大がコラボして企画した「世界だじゃれ音LINE音楽祭 DAY4」というイベントで、4人のアーティストが一人ずつ野村さんと即興演奏するという企画。配信は1月24日(日)。無料でどなたでもご覧いただけます。私の出番は18時から30〜40分ぐらいです。野村さんとはかれこれ30年来のお友達ですが、こんな形でまた共演のお誘いをいただけるのはありがたいことであります。

タイトルはだじゃれっぽく「ひょうたんから駒った」。ZOOMでの共演のためタイミングがずれるし、うちのWiFiはよく切れるので、きっと困ったことになるんじゃないかなと思いますが、困ったことを駒にして楽しみたいと思います。でれろん。

(434日目∞ 1月18日)