雪が降る前に
by 奥田亮
11月もきょうで終わりになりまして、わがスワロー亭の特等席から眺める「おぶせミュージアム・中島千波館」の庭の借景も、秋の風情から落ち葉舞う初冬の季節に移ろい行くのであります……。とポエジーなことばかり言ってられればいいのですが、そうなんです、紅葉を愛でさせていただいた分、落ち葉掃きがセットでついてくるのであります。毎日、掃いても掃いてもまたすぐに溜まってきます。しかもうちのお隣さんは早起きのきれい好き。朝起きて外に出てみると、家の前のみならず、歩道も車道も、ぴっちり境界の際まできれいに掃き清められています。うちがサボっていることは一目瞭然。負けじときれいにせざるを得ないのであります。
まあ、四季を通じてきれいな景色を楽しませていただいているのですし、集った落ち葉はうまく使うと上質の堆肥になるのですから、文句をいうなんて罰当たりなのですが、夏は草刈り、秋は落ち葉掃き、冬は雪掻きと、四季を通じて景色を愛でられる分、きっちり労役も待っているのであります。
さて、我が家のイプの第1弾は、一応水漬けも終え乾燥に入りました。じつは4つのうち2つは中身が完全には抜けておらず、まだ果肉が残って少々重いのですが、まあなんとかなるだろうと、乾燥工程に強行突入したのでした。すっかり乾いてから用途に応じて穴を空けるなり切るなりしたときに、乾燥して繊維状になった果肉を取り出すことになると思います。きっとそれは臭いを温存させているはずなので、あまりいい方法ではないということはわかっているのですが……。4つそれぞれに表面の色が違うのは中身の抜け具合の違いなのか、完熟度の違いなのか判然としません。
そしてさらに追加でいただいた4つのイプは、春まで放置しようかと思っていたのですが、UFOの水漬けもしなければならないので、いっしょに水に漬けることにしました。水漬けのために新たに漬物樽を調達しようかとも考えたりしたのですが、モノを増やすのもなんだかなと思い直し、最初の4つと同じ容器を使うことにしました。途中まで放置していたので、少々カビが表面に模様を描いていますが、まあこれも味わいということで。 しばらく異常な暖かさが続きましたが、今年は雪が多いという噂も聞きます。なんとか雪が降る前に水漬けを完了させることができればいいのですが。
先週勝手に来年はUFOを栽培してもらおうと勝手に考えていたユカリさんからは、快諾のお返事をいただきました。そして、丸黄さん、ふじっこさん、来年はイプの種がそちらに行きますので、ぜひ育ててくださいね、でれろんろん!
(404日目∞ 11月30日)