ひょうたんな街・長浜(10)曳山博物館の建物とショップ

by 丸黄うりほ 

▲「曳山博物館」の屋根にも赤いひょうたん!

▲壁にもひょうたん!

▲自動ドアにもひょうたん!

▲ミュージアムショップで見つけた、出世ひょうたん箸

▲家紋手ぬぐい。豊臣家の五七桐と織田家の織田木瓜(右)

 

「曳山博物館」の展示と、館内で見つけたひょうたんについては昨日の日記でざっと紹介しました。未読の方はどうぞそちらもお読みくださいね。

ちなみにこの博物館は平成12年に開館したそうですが、情緒ある街並みになじむ建築デザインも素敵なんです。ひょうたん者としては、内部の展示と同じくらい注目ポイントがいっぱいありました。きょうはその建物をレポートしていきましょう。

まず写真1枚目をご覧ください。博物館入り口の屋根に、赤いひょうたんサインが掲げられています。ガラスケースで保護され、金属でできているようでした。デザインは折り紙で作ったような和風かつモダンな雰囲気。プロペラのようにも見えます。とてもおしゃれなひょうたん表現だと思います。

建物の外壁にも、ひょうたんモチーフが使われています(写真2枚目)。スマートでくびれの強い、モデル体型。スタイリッシュでかっこいいひょうたんです。丸すぎないところが、建物の雰囲気によくあっていますね。

入り口の自動ドアにもひょうたんモチーフを発見しました(写真3枚目)。こんなところにまでひょうたんが……!芸の細かさがたまりません。私などは、もうこの外観だけでノックアウトされてしまいました。

入り口の近くにはこじんまりとしたミュージアムショップがあり、そこでも素敵なひょうたんグッズに出会うことができました。

まず、私が買い求めたのは「出世ひょうたん」と書かれたひょうたんモチーフの箸です。いろんな色がありましたが、迷った末、緑色を選びました。自宅へ帰ってからすでに持っていたひょうたん柄の箸置きや豆皿とコーディネートしてみましたが、うーん。じつにかわいい♡ 品質も非常によくて、ちゃんと長浜市にある片山木工所というところの製品でした。ちなみに、この片山木工所は伝統工芸の「いろ色浜独楽」で有名な工房らしい。これまた、ひょうたんから駒です!

もう一つの出会い物が、武家の紋を並べて染めた日本手拭いです。徳川家、浅井家、石田家、豊臣家、黒田家、井伊家、そして織田家。こちらも長浜市にある浜ちりめんの、おの商店の製品で大変洗練されたデザインです。

ひょうたん好きの武将といえば、まずは豊臣秀吉が思い浮かびますが、じつは織田信長もひょうたん好きであり、秀吉の功績を称えてひょうたんを馬印として使うことを「信長が、許した」という記述をどこかで見かけたことがありました。そして、豊臣家の家紋は五三桐、五七桐、太閤桐といった桐紋なのですが、織田家の紋は織田木瓜と呼ばれるものなのです。

5枚目の写真を見てください。左が五七桐。右が織田木瓜です。ひょうたんを育てたことのある人なら、もうピンときたでしょうか?ウリの実を横にスパッと切ると、この形になります。これはウリ、つまりひょうたんの実の断面図なんです!

なんという渋さでしょう!信長のひょうたん愛は、もしかしたら秀吉以上だったのではないか。この家紋を見ていると、私の頭の中にはそんな妄想があふれ出てくるのです。

(389日目∞ 11月6日)

※次回390日目は奥田亮「でれろん暮らし」、119日(月)にアップ。

391日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、11月10日(火)にアップします。