まだ花が咲いている!ひょうたん「ティトゥス」

by 丸黄うりほ

▲10月30日に咲いた雄花

▲10月31日と11月1日には雌花も開花

▲うどんこ病で真っ白になってしまった葉も

 

このところ2週間連続で「ひょうたんな街・長浜」レポートをお届けしてきました。長浜のひょうたん紹介はまだ全部終わっていないのですが、ちょっと中断して、きょうは3週間ぶりに我が家で栽培中のひょうたん「ティトゥス」の様子を報告します。今年の主人公「ティトゥス」が読者の皆さんに忘れられてしまっては困りますからね!

さてさて。ひょうたんの収穫時期はハロウィンがひとつの目安になります。ジャック・オー・ランタンにするカボチャとひょうたんは、どちらも英語ではgourdと呼ばれています(食べられるカボチャはpumpkin)。ですが、我が家ではまだ「ティトゥス」の実をひとつも収穫していません。

ひょうたんの実が完熟するには約60日かかるため、9月以降に受粉した後成りの実はまだ収穫できず、11月下旬まで待たねばならない、というのが理由のひとつです。

しかし、8月までに成った実は先に収穫してもよいはず。これをできてないのは、単に私のズボラ。それと、ベランダにたくさんのひょうたんがぶらさがっている様子が見ていて楽しいから。台風など収穫を急がねばならない案件がこのところなかったというのもあります。まあ、ひょうたんは早採りするよりは遅いほうがいいともいわれていますしね。

などと言い訳を並べつつ、もう少しの間このままで行こうと思っております。

合計36個もの実をつけた「ティトゥス」は、さすがにちょっとお疲れのようです。うどんこ病で真っ白になってしまった葉や、ウリキンウワバにかじられた葉をだいぶカットしたので、蔓はスカスカ。そこから新しい葉もちょろちょろ出てくるのですが、勢いはなく、出てきてもすぐウリキン野郎にかじられてしまう。若葉はやわらかくておいしいのでしょう。

そんなわけで、「もうあとは余生だな。11月末まで持ってくれますように」と思っていたのですが……。

なんと、10月30日にぽつんと雄花が咲きました。

それも大型の朝顔くらいある、とてもきれいな花です。けなげなその姿に感動した私は、花を摘んで、お気に入りの蕎麦猪口に挿してテーブルに飾りました。お相手の雌花もいないのに。恋するおじいさん花……。

その翌日、今度は雌花がひとつ咲きました。なんということ!前日に咲いた雄花を冷蔵庫に入れておいて受粉させればよかった!捨ててしまって大失敗!

そして、そのまた翌日もうひとつ雌花が咲きました……。

この3つの花、おじいさんと、おばあさんと、おばあさんは、受粉はかなわなかったものの、「ティトゥス」の生命力を強く印象づけてくれました。

夜間などずいぶん風が冷たくなってきたけれど。もう少し、このままで。頑張れ、老「ティトゥス」!

(387日目∞ 11月4日)

丸黄うりほ  ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンションのベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。

ふじっこさん  「ヒョウタン総合研究所」所員。ひょうたん栽培2年生。今年は自宅の庭と畑で6品種6苗のひょうたん栽培に挑む。そのようすを丸黄への報告と写真提供でリモートひょうたん活動中。