ひょうたんな街・長浜(8) 「太閤ひょうたん」の品揃え
by 丸黄うりほ
胸をときめかせながら「太閤ひょうたん」にやってきたふじっこさんと私。この日、店番をされていたのは女性で、「店内の撮影は自由にしていただいていいですよ」と声をかけてくださいました。ひょうたんの本で写真を見かけたことがある「全日本愛瓢会」元会長の長老とは別の方です。
「太閤ひょうたん」の店頭に並べられたひょうたんは、形が整い、磨かれ、漆やカシューなどが塗られ、房飾りや紐をかけられたものがほとんどでした。何も塗られていない素ひょうたんや、比較的安価な千成ひょうたんの加工品も少しはありましたが、ほとんどは床の間に飾るような大物です。芸術品である高級ひょうたんの世界とはこのようなものかと感じ入りました。
なかには、太閤秀吉の馬印をかたどったものや、たくさんのひょうたんでつくられた宝船なども。
長ひょうたんをしばってつくった不思議な形の加工品や、ガラス瓶のなかにひょうたんをとじこめて栽培したもの、編み込みのように結んで育てた鶴首ひょうたんなどの珍しいひょうたん、マニアックな加工品もたくさん並んでいました。ひょうたん芸術を一同に集めた展覧会の会場のようでもあります。
見てまわるうちに、5年ほど前に終了してしまったという「長浜六瓢箪めぐり」の記念品で、六社寺をめぐると授けていただけることになっていた六瓢箪と、その飾台を見つけることもできました。
また、とても種類豊富だったのが、ひょうたんを飾るパーツ類です。房のついた飾り紐はゴージャスで長いものから、小さなひょうたん用のものまで揃っていましたし、ひょうたんの口にはめる栓もいろいろなデザイン、大きさのものが取り揃えられていました。ひょうたんの表面を彩るカシューと呼ばれる塗料も、こんなに種類があるのかと思うほど並んでいました。
そんなわけで、私はこちらで百成ひょうたん用の飾り紐を買い求めることにしました。オレンジ色のきれいなものと、少しくすんだ茶色のもの。ふじっこさんも、赤と金色の紐を1本ずつ買いました。結び方についてはお店の人がとても丁寧に教えてくださったうえ、図解までいただいてきたので不器用な私でもなんとかなるかな? 近いうちに挑戦してみようと思います。
「ひょうたんな街・長浜」探索は来週も続きます。まだまだ紹介したいひょうたんがいっぱいあるんですよ!
(385日目∞10月30日)
※次回386日目は奥田亮「でれろん暮らし」、11月2日(月)にアップ。
387日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、11月4日(水)にアップします。11月3日(火・祝)はお休みをいただきます。