美しい中年ひょうたん「ティトゥス」
by 丸黄うりほ
若い頃はとくに気にとめていなかったけど、年を重ねてから「素敵な人だなぁ。こんなにきれいな人だったっけ」と感じるような人って、男女を問わずたまにいらっしゃいますよね。
ひょうたん「ティトゥス」もそんな感じ。毎年ひょうたんを栽培していると、ほんとうにいろんな瓢生があるなぁと思うのですが、「ティトゥス」はもしかしたら中年になった今がいちばん美しいかもしれません。
本来7月はひょうたん苗が最も元気で美しい時期、人間でいうと青年期ですが、今年は梅雨が長すぎて炭疽(そ)病、うどんこ病、べと病がはびこり、晴れると葉が全部下を向いてしまう症状が出て、もしかしたらつる割れ病か?と思ったこともありました。梅雨が明けてからは猛暑で葉が焼け、ハダニの被害も出ましたし、べと病がなかなか治らず。しかし、病気の葉を丁寧にカットして、ベンレートとトップジンで菌を予防し、ハイポネックス、メネデール、リキダスをローテーションを組んで与えているうちに、きれいな葉が増えてきました。
今も毎日の葉の手入れは続けていますが、病気ではなくて老化で黄色くなった、つまり健康に年をとった葉が多くなりました。花芽もいい感じのバランスでついていて、新しい雄花も雌花も毎日少しずつ咲いています。そのなかには今後の結実が期待できそうなツルツルした子房もいくつかあります。
先週の日記で紹介した「ティト実12号」と「ティト実13号」は、ともに高さ16センチになりました。また、「ティト実14号」は8センチに成長。チビひょうたんですが、くびれの少ないのんびりとした形と曲がったお尻がとてもかわいい!好きだなぁ、こういう後成りひょうたん。2枚目の写真をぜひよく見てやってください。
6月下旬に受粉を行なった先成りの8個の実は、かなり白くなり、軽くなってきました。ひょうたんの実は受粉から熟して収穫できるようになるまで約60日(大型のものは70日)かかるといわれています。そろそろ収穫してもいい時期がきているのですが、ひょうたん栽培に焦りは禁物。早採りするよりは遅い方がいいというのが定説ですから、もう少しこのままでようすを見ようと思います。
ああ、ひょうたんと暮らす幸せな秋。
(352日目∞ 9月11日)
※次回353日目は奥田亮「でれろん暮らし」、9月14日(月)にアップ。
354日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、9月15日(火)にアップします。