三年坂の「瓢箪屋」へ行ってきました!(その3)
by 丸黄うりほ
「瓢箪屋」のある三年坂は、清水寺へと通じる石段と石畳の道。風情があって観光客の絶えないところですが、なぜ「三年坂」と呼ばれているのかご存知ですか?
別名「産寧坂」とも呼ばれていて、これは清水寺の塔頭の一つである泰産寺に安産のご利益があるからだと言われています。また、清水寺へ再度お参りすることから「再念坂」とも呼ばれるらしいです。では、「三年坂」は?
なんと恐ろしい。「三年坂」で転ぶと三年以内に死ぬというジンクスがあるからなのだとか!! ひえええーっ!!
でも、ここからよく聞いてくださいね。もしこけてしまったとしても。
この一言だけは拡張器つけて、大きな声で言いますね。
「ひょうたんを持っていれば助かるらしいのです!!」
2枚目の写真は三年坂の絵地図で、3枚目の写真は京都市による立て札です。それによると……。
「三年坂で転ぶと「三年のうちに死ぬ」、「三年寿命が縮まる」といわれる逸話は、すでに延宝七年(1679年)刊行の「京師巡覧集」で紹介されており、転んで抜けた魂を瓢箪が戻してくれるとのおまじないがあり、瓢箪を売る店が往時は軒を連ねた。」
すごい……。ひょうたんのスピリチュアルパワーが炸裂です。持っているだけで身を守ってくれるんですよ!!
ひょうたんが魂の容れ物だという説はじつは世界中にあり、それについてはまた改めて考えてみたいと思います。
というわけで、三年坂に「瓢箪屋」があるわけがこれでわかりましたよね。お店のはす向かいはもともと川だったそうで、そこに龍が住んでいたことから「轟川」と呼ばれていたそうです。今は「轟小路」と呼ばれ、その角にある料理屋さんのお品書きの窓にもひょうたんマークがついていました(4枚目の写真)。ひょうたん(瓜)と龍、これも伝説の組み合わせですね。
そんなふうに読み解いていくと、清水寺という名称も気になりだしました。清い水や滝とひょうたんも伝説のセットですからね。
そういえば、「瓢箪屋」に、清水寺の塔頭・真福寺の「八福神」の絵が飾ってありました。七福神ではなくおたふくを加えた八福神で、みなさん宴会中のようす。大きなひょうたんを抱えているのは大黒天です。なぜ、ひょうたんがここにも登場しているのでしょうか?
清水寺と真福寺にも日を改めてお参りしたいと思います。
(351日目∞ 9月10日)