天八の街路灯もひょうたん?
by 丸黄うりほ
金曜日(337日目)の日記では、船場・平野町通商店街の西端に、千成ひょうたんをかたどった昭和初期の街路灯が保存されていることを書きました。きょうは街路灯シリーズ第二弾をお届けしますね。
ある日、私は気分転換のために散歩に出かけることにしました。なんだか広々とした景色を見たくなって、淀川のほうへ行ってみようかなという気になり、日本一長いといわれる天神橋筋商店街を北へ。
天神橋筋商店街は大阪天満宮の参道がルーツ。南は天神祭で船渡御が行われる大川にかかる天神橋、その近くから一丁目商店街がはじまり、天満宮のある二丁目を経て、北へ三丁目、四丁目と続きます。商店街の北端、八丁目の北は淀川の河川敷。ちなみに私の住処は三丁目にあります。
二丁目から六丁目まではアーケードがあり、街は通称「天二」「天六」などと呼ばれます。飲食店、ドラッグストア、洋服店のほか古書店も多くてなかなかの賑わい。「天六」を過ぎるとアーケードがなくなり、だんだんと店が減っていきます。それでも七丁目、「天七」までは商店街らしい雰囲気。
城北公園通を渡って北にある八丁目は、正直なところほとんど用事がなく、あまり行ったことがありませんでした。飲食店もないし、建っているのはほとんどが会社や事務所。川が近くなってくるとどんどん空が高くなり、青空が美しい。街は寂しくなり、これで商店街を名乗ってもいいのかなという感じ。
もしかしたら昔はもうちょっと店があって、もうちょっと商店街らしかったのかもしれません。その名残りをとどめているのが、ひょうたん型の街路灯です。
1枚目の写真を見てください。「双葉紙業株式会社」と書かれた広告の上に「八」という字があります。これは、「天八」の「八」で間違いないでしょう。じゃあ「天」は省略しているの?と一瞬思ったんですが、よくみると、街路灯の付け根のところ、「八」のとなりが「天」と読める!これに気がついた時は「うわっ」と思いました。
そして、問題のひょうたん型です。とてもきれいな形で、なんとなくミッドセンチュリーモダンな雰囲気を漂わせています。なんでもかんでもひょうたんに見える「ひょうたんアイ」の私には、これはどう見てもひょうたんでしかない。でも、先述の「天」の流れからすると、もしかしたら数字の「8」なのかもしれません。
平野町通商店街の街路灯については現地に説明書きもありましたし、ネットで調べるとひょうたんとの所縁がいろいろと出てきたのですが、この「天八」の街路灯に関しては何もヒットしませんでした。読者様でこの街路灯について何か知っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報をお寄せください。
(339日目∞ 8月25日)