交換しています
by 奥田亮
猛暑!暑い暑い暑い!!! 涼しいはず、と思っていた信州も日中は35度越え。移住当初はちょっと騙された感がありました。それでも例年お盆を過ぎたあたりからは、夕方陽が落ちるとすーっと涼しい風が通り、夜は比較的寝やすくなるので、まあ大阪や都心とかとは随分違いはあります。ただ、今年の暑さは尋常でなく、熱帯夜に近い日もあって、今夜もちょっと寝苦しそうです。
そんな異常気象のなか、野菜や果物の不作があちこちから聞こえます。このあたりでも桃の不作が深刻だったようです。そのためなのか、商品として出荷できない「ハネ出し」を同じ日に複数の方から次々にいただくという「桃の日?」みたいな日があって、桃でお腹いっぱい、という贅沢な幾日かを過ごしました。ちょっと複雑な気持ちでしたが、ありがたいことです。
きょうはまた、どっさりと野菜をいただきました。じつはこれ、うちで受けたデザイン、コピーの仕事のギャラ。知り合いの30代農女子が去年、廃業することになったブルーベリー農家を引き継ぎ、新たにブランドを立ち上げたのですが、そのロゴマークやパンフレット制作のご依頼をいただき、ギャラを果物、野菜、米などでいただいているのです。で、今回が何度目かの配達。孤軍奮闘、これからの夢を話す若者の姿は眩しくて、こちらの応援にも気合いが入ります。未来はまだまだ捨てたもんじゃありません。
この例だけでなく、いくつかのデザインなどの仕事の報酬を、現物でいただいたり、何かと交換したりしています。お金じゃない「交換」で経済を回していくという試みなのですが、最近これがちょっと発展して地域通貨的な動きに合流しつつあります。まだまだ始まったばかりでどうなるのかわかりませんが、いろんな思いをもった人たちが集って、意見交換しながら手探りで進めています。小さなコミュニティだからこそできることを少しずつ試みて、のんきに暮らせる世界ができればいいなと思っています。そう、のんきが一番ですよ。
あれれ、今回はヒョウタンの話が出てないですね。
そうそう、一通り修理を終えたイカレレは、いまフレットなどを微調整しながら弾き込んでいます。何度も音を出すとことで音がだんだん楽器になじんできて、柔らかになってくるのです。手づくり楽器はとくにその変化が顕著で、みるみる音が変わってきます。まさに楽器を育てる感じなのです。もうしばらくは育てる時間がありそうです。
あ、それから、裏の畑ではバターナッツがりっぱな実をつけています。ヒョウタンに似た姿を見ると、やっぱりちょっとニンマリしてしまいます。
まあ暑いので今回のところはこれくらいでご勘弁を。皆さまくれぐれもご自愛のほど。でれろん、でれろん。
(338日目∞ 8月24日)