スーパー長瓢の雌花ってこんな形なの?
by 丸黄うりほ
先日ふじっこさんから「スーパー長瓢の雌花って、これなんじゃないかと思うんですけど……」というメールと写真が来ました。
ふじっこさんが栽培中の6品種のひょうたんのうち、スーパー長瓢の「おろち」だけがいつまでたっても雌花が咲かず、咲くのは雄花ばかり。先日やっと雌花が一つ咲いたと思ったら、どうやらそれも奇形の雄花だったというようなことがあったりしたので、「おおー、ついに咲いたか!よかったね!」と思ってその写真を見たのですが……。
なんだか弱々しいヒモのような、頼りない形のものが写っていました。
私は正直言って困惑しました。「これが雌花?あんまり花っぽくないなぁ」
ふじっこさん自身もこの品種を栽培するのは初めて。「本当にこれが雌花かどうかわからないので、安田さんに聞いてみます」との返信。安田さんとは、養老のひょうたんマエストロ「安田ひょうたん店」のご主人のことです。
というわけで、スーパー長瓢の雌花かもしれない不思議な形の花の写真、ここにアップした1枚目の写真を、安田さんに見てもらったのだそうです。
その結果。
やはりこのヒモのようなのが、スーパー長瓢の雌花だと判明しました!
「ひょうたん日記」を愛読してくださっているみなさんはもうご存知だと思いますが、一応解説しておきますと、ひょうたんの花には雌花と雄花があります。花の色はどちらも白ですが、はっきりと形が違うので、容易に見分けることができます。雄花は花びらの下がすっと細長い、漏斗型。雌花は花びらの下の子房と呼ばれるところが最初から実の形、すなわちひょうたん型をしています。雄花の花粉が雌花の花芯にくっついて授粉に成功すると、子房がそのままぐんぐん大きくなって実になるのです。
ということは、スーパー長瓢の場合は、このヒモのようなところが実になるということなんですね!
ちなみに、スーパー長瓢は細長くて巨大な実がなる品種です。うまく育てば2メートル以上、3メートルくらいになる。このヒモみたいな小さな花が、そこまで成長するのか……。なんだかすごいですよね。
ちなみに2枚目の写真はそのお相手、スーパー長瓢の雄花です。他の品種のひょうたんと同じような普通の形。超個性的な雌花に比べると平凡だなぁ。
(325日目∞ 8月4日)
丸黄うりほ ∞ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンションのベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
ふじっこさん ∞ 「ヒョウタン総合研究所」所員。ひょうたん栽培2年生。今年は自宅の庭と畑で6品種6苗のひょうたん栽培に挑む。そのようすを丸黄への報告と写真提供でリモートひょうたん活動中。