京都東山の風情あるひょうたんたち

by 丸黄うりほ

▲豊国神社の手水にもひょうたんが。

▲いい感じに実がぶら下がっています!

▲こちらは方広寺。夏を感じますね。

▲正面通りの料亭の暖簾にもひょうたんが!

 

ひょうたんを愛した豊臣秀吉がまつられている京都東山の豊国神社。この神社を中心に、地域で「東山瓢箪プロジェクト」という栽培活動が行われているらしいということを、297日目(6月23日)の日記で書きました。

前回の日記からちょうど1カ月。どんな感じにひょうたんが育っているのか気になって、先週末、再び神社にお参りしてきました。

まず鳥居をくぐって手水に向かったら、いつもと様子が違います。なんと、ひょうたんからちょろちょろと水が流れている!

おそらくコロナ対策で水をためないように工夫されているのでしょうが、こういうところにもひょうたんを使ってらっしゃるのが嬉しい。秀吉から受け継いだひょうたん愛を感じずにはいられません。

さて、目当てのひょうたん棚に向かうと……。

いい感じに実っていました!6本の苗で実は10個ほど。高さ15センチから25センチくらいの中型ひょうたんです。棚に上がるまでの親蔓の葉はすべてカットしてあり、棚上の葉も茂りすぎないように手入れしてあるのがわかります。こうやって涼しげな風情を保ちつつ、風通しをよくしてひょうたんの病気も未然に防ぐというわけなんですね。

豊国神社の隣にある方広寺にも行ってみました。こちらのひょうたん棚は神社の3倍ほどの規模、苗の本数も3倍ほどです。実も30個くらいなっていて、その大きさから推測すると、こちらはどうやら千成と中ひょうたんの両方が植えられているよう。神社と同様に親蔓の葉をすべて取り除いてあって、棚からぶらさがったひょうたんが涼風を運んでくるようです。

6月に初めてこのひょうたん棚を見たときは、面積に対して苗の本数が多すぎるのではないかとちらっと思ったのですが、このように葉を茂らせず、コンパクトに育てるという方法もあるのですね。ひょうたん栽培者としてすごく勉強になりました。

お参りをすませ、正面通りを通って地下鉄五条駅へ向かう途中で、思いがけなくまたまたひょうたんに出会うことができました。

京料理の老舗「道楽」さんの店先に、千成ひょうたんの暖簾。いいですね、この風情。わかってはるわ。さすが京都やわーと声に出しそうになりました。

(320日目∞ 7月28日)