イカレレのためにイカを買う

by 奥田亮

放置されて巨大化したキュウリ

イカ

 

ある朝、裏の畑にキュウリを採りにいったら、とんでもなく大きなのが地面に横たわっていました。葉っぱの影に隠れて見えなかったのが大きく育ちすぎてしまったのです。ここまで大きくなるとさすがに大味でおいしくありませんでした。頃合いは大事です。

今、畑はキュウリが盛況です。どこの畑でもだいたい同じなので、キュウリ合戦が始まります。田舎暮らしの「あるある」ですが、たくさん採れた日に限って、おみやげに持って来てくださる方がおられたり、玄関先に置いてあったりと、キュウリの贈り合い合戦が激しく繰り広げられます。きっともうすぐナスも始まります。ありがたいことです。

そんなことで毎日キュウリです。おいしくいただくためにはいろいろ調理方法を知る必要があります。そういえばイカとキュウリって相性いいよねと思って、さっそく強い味方クックパッドを見ると、ありましたありました。イカとキュウリのマリネ、イカとセロリとキュウリの爽やかレモン炒め、キュウリとイカとハム炒めなどなど。さっそく作ってみようと思います。

ということで、先週のイカレレの続きです(少々無理矢理感がありますが)。

チチ松村さんから「イカレレ作ってよ」と言われ、軽い気持ちで「わかりました〜」とお返事したのはいいものの、さて、イカ? しかもヒョウタンで? しばらくイカとヒョウタンが頭の中でぐるぐる廻っていましたが、とりあえずはイカって実際どんな形だったっけ、ということでスーパーにイカを買いに行きました。 実際に観察したイカは、頭の中で描いていた姿と微妙に違っていました。まず、胴体と足の長さの比率。圧倒的に胴体が長く、足は思った以上に短い! タコとイメージが混ざってしまっていて、足が長い印象があったのかもしれません。

一番驚いたのは、10本の足のうち2本だけが妙に長いことでした。ほかの足の2倍以上はあります。しかも、その足の先は少し膨らんでいて、吸盤もその膨らんだ先にだけ付いています。最初は個体差なのかなと思いましたが、何杯買ってきて見てみてもやはり同じです。図鑑を調べてようやくわかったのは、10本のうち2本は、手の役割をしているということでした。正確には「触腕」と呼ばれるようで、イカの足は10本ではなく、足は8本で手が2本というのが正しいようです。

毎日のようにイカを姿で買ってきては眺め、イカ料理にも飽きてきた頃、イカの形状についてはおおかたの理解が進みました。やはり現物にあたることが大切です。ただ、このイカの形状をヒョウタンを使って表現し、イカレレという楽器に仕立てるというところまでもっていくには、まだまだロングアンドワインディングロードがありそうでした。というか、まだそのプロセスの入口にも立っていないのでした。だって、ヒョウタンでイカを作るということ自体に、何の必然性もないのですから。 というところで、続きはまた来週〜。でれろん、れれろん。

(316日目∞ 7月20日)