ティトゥス、悲喜こもごもの1週間

by 丸黄うりほ

▲ティトゥスの初花は雌花でした!▲時間とともに開いてきます……。
▲白い花びらに夕焼けが映えてとてもきれい!

 

「ひょうたん日記」は今回で300日目。土日祝はお休みをいただき、今年4月から月曜日は奥田亮さんの「でれろん暮らし」がスタートしましたが、約1年と2カ月連載を続けさせていただいております。読者の皆様、どうもありがとうございます。

さて、「ひょうたん日記」2年目の今年は、岐阜県ひょうたん実行委員会さんからいただいたタネ、品種は千成か百成、育ててみてのお楽しみ、というひょうたんを我が家のベランダでプランター栽培しています。名前は「ティトゥス」。ローマ帝国フラウィウス朝2代目の皇帝から拝借しました。

今週は浮き沈みの激しい週で、育て主の私はひょうたんに振り回されております。まあ、育ててみたことのある人ならわかると思いますが、ひょうたんは皇帝ですからね。気難しくて、かつ反応の早い、派手な植物なのです。

まず月曜日の夕方。ティトゥスに初めての花が咲きました。雌花でした。たった一輪だけ。花びらの下がすでにひょうたんの形をしていてほんとうに可愛いです。なかなかの美形でしたが、一緒に咲いた雄花がなかったので授粉できず。せめてもと、夜に向かって開花していく様子を写真に撮りました。ひょうたんの花は夕方に咲いて翌朝にはしぼんでしまうのです。

火曜日は戦慄しました。この日は朝からとても暑くて、かんかん照り。午後になって、西陽の強い我が家のベランダは灼熱地獄のようになっていました。ひょうたんの葉も暑そうにくたっとしています。ところが、夕方になってみてみると、くたっとしていた葉の数枚が、そのまま青枯れていたのです!なかにはパリパリに乾いているのもありました。こ、これは、またも蔓割れ病では?

雨天や曇天が続いたあとの晴天の日に、葉がくたっとして夕方にはもどる。それを何度か繰り返しているうちに、ある日株ごと枯れてしまう。これが蔓割れ病なのです。人間でいうと脳卒中のように管がつまってしまう恐ろしい病気です。この病気に去年のひょうたんがかかったのです。一時はもうダメかと思いましたが、殺菌剤ベンレートなどを駆使してなんとか一命をとりとめました。

この病気はフザリウムという菌が原因なので、土やプランターなどはすべて新品にし、菌を死滅させるために、ティトゥスの定植前にもベランダ全体の殺菌と消毒をしつこいくらいやったんですが。また出てきたのか……!!

私は、枯れた葉をすぐにカットして切り口にトップジンペーストを塗布しました。ハサミは都度、リン酸三ナトリウム12水の溶液で消毒。そして、翌日は朝からトップジン水和剤を散布しました。土にはメネデールも灌注。この日も午後からは灼熱地獄で葉はくたっとしましたが、夕方になって青枯れている葉はみつからなかったので、ほっとしました。

ティトゥスの蔓には、雄花と雌花の両方のつぼみがつきはじめているので、今週末には一気に咲きそうです。きょうは体力をつけるために開花促進ハイポネックス(チッ素0、リン酸6、カリ4)を与えました。

病気がこれ以上進行しませんように。花が無事に授粉できますように。ここで栽培の報告を続けられますように……!! 皆様も、どうかティトゥスの今後を見守ってやってくださいね!!

(300日目∞ 6月26日)

 

※次回301日目は奥田亮「でれろん暮らし」、6月29日(月)にアップ。

302日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、6月30日(火)にアップします。