魅惑の巻きひげギャラリー

by 丸黄うりほ 

▲ひょうたん「ティトゥス」の巻きひげたち

 

ときどき「どうしてひょうたんが好きなんですか?」と聞かれることがあります。「実の形が好きです」と答えると、たいていの人が納得してくれるのですが、私は本当は、ひょうたんの巻きひげが、か・な・り好きです。はっきり言って、巻きひげの愛らしさは実の愛おしさと双璧!!

とくに、今の時期の巻きひげの透明感。しなやかさ。意外性のある形。

美しい。美しすぎる。一つひとつ見ていると、その完璧な美に、いちいちためいきがでます。

写真をいっぱい撮ってみましたが、どれもうまく撮れていません。実際の巻きひげの美しさが全然伝えられていません。くやしい。もっと写真が上手だったらいいのに。もっといいカメラがあればいいのに。

というわけで、写真はイマイチなんですが、その魅力の片鱗だけでもお伝えしたいので、ここにアップしておきますね。

ところで、そもそも巻きひげって何?という方もいらっしゃるかもしれません。ひょうたんは蔓性の植物で、何かにつかまりながら伸びていくのですが、メインの茎は蔓と呼ばれています。たまに蔓と巻きひげを混同して理解されている方がいるのですが、ここではっきりさせておきますね。

蔓からは葉が出てきます。蔓と葉柄が分かれる部分には、脇芽ともよばれる次の蔓と、花芽がついていて、その反対側から巻きひげが出ます。葉と脇芽と花芽と巻きひげは1セットになっているんですね。

で、巻きひげはその先でさらに二股に分かれて2本になります。最初のうちは2本ともまっすぐで、風などに揺られながら巻きつくものを探します。その探索は正確で、先端に目がついているのでは?と思うほど。

巻きつく先を見つけると、そこで螺旋アクティビティ発動! 一気に巻き付きます。ほんの数分の間に巻きつくこともあります。食虫植物ではありませんが、「うわ、動いているわ」「生きているわ」と実感させられることもしばしばです。

そして、この螺旋には法則があるのです。

まず蔓から分かれた巻きひげがくるくると一定方向に巻きます。それから、必ずいったん伸びて、巻くのを休憩するんです。そして、再び巻くんですが、このときの巻き方は最初の巻き方とは逆方向になります。このページの写真だと、1枚目と5枚目がわかりやすいと思います。ね、そうなっているでしょ?

なんでこんな巻き方をするのか?じつはまだはっきりとは解明されていないようです。このように巻くと丈夫であるという説が有力のようですが。

この法則はすべてのひょうたんに共通なので、ご自宅にひょうたんの苗がある方はぜひ観察してみてくださいね!

(293日目∞ 6月17日)