私の理想のひょうたん「ひょうたんめん」

by 丸黄うりほ

▲「ひょうたんめん」神沢利子・文、赤羽末吉・絵 (偕成社)

 

京阪神でもようやく今夜、緊急事態宣言が解除されそうな見込みですね。長かったステイホーム期間中、 フェイスブックやインスタグラムでは「バトン」が流行しました。私のところにも「影響を受けたアルバム10日間」「7日間ブックチャレンジ」「3日間動物チャレンジ」という3種類のバトンがまわってきました。暇つぶしにはちょうどいい遊びでしたね。

そのなかで、ブックチャレンジには「読書文化の普及に貢献する」という高い志があるとのことでした。それならば、ついでに「ひょうたん文化の普及にもご協力をお願いしたい……!」と思い、便乗させていただきまして、ひょうたんに関する本限定で8冊をフェイスブックで紹介することにしました。本当は7冊でよかったらしいのですが、そこはひょうたんなので強引に「8」冊選びました。その8冊目、アンカーにもってきたのがこの『ひょうたんめん』という絵本です。

『ひょうたんめん』は、種子島に伝わる昔話で、ひょうたん型をしたお化けのひょうたんめんが、通りがかった人の荷物である塩をむしゃむしゃと食い、荷物を運ぶ馬を食い、人まで食おうとする。とにかくものすごい大食いで、なんでも食う。凶暴な悪いひょうたんと人間との知恵比べ、バトルのお話なのです。

しかし。もうね、そんな物語などどうでもよくなるほど、私はこの絵が大好きなんです。『スーホの白い馬』などで知られる赤羽末吉氏によるこのひょうたん。ひょろりとした手足といい、邪悪な三白眼といい、頭からのびている蔓に、一枚だけついてるハート形の葉っぱといい。ルックスが良すぎますよね!

ひょうたんのイラストは世の中にたくさんありますが、私は赤羽氏が描くこの『ひょうたんめん』が世界で一番好きです。まさに私の理想のひょうたん。そのたたずまいのすべてがパーフェクト。絵本の中には、ひょうたんめんの横顔も掲載されているのですが、これがまたイカス♡♡♡

そんなわけで、先日「花形文化通信」の編集長に送った請求書の封筒に、ちょっと『ひょうたんめん』に影響を受けたタッチで、ひょうたんの落書きをついつい書き添えてしまったりしたのですが、意外とこれのウケがよかったのです。「ひょうたん日記」でも、イラストを載せてみてはどうか?という提案までいただきました。

調子にのって、栽培中のひょうたんティトゥスの似顔絵を描いてみようかな……と、今思ったりしています。いきなり変な漫画がこのページに載り始めたら、「あ〜あ、やっちゃったか……」と突っ込んでやってください。

(274日目∞ 5月21日)

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