師匠のひょうたんが楽器になりました! (その2)

by 丸黄うりほ

▲一弦楽器(名前はまだない)、ふじっこさん作

 

昨日に続いて、ひょうたん師匠・奥田亮さんにいただいたひょうたんから生まれた新楽器を紹介します。

2つ目は、一弦楽器(名前はまだない)。こちらもふじっこさんが作りました。

この素材のひょうたんは、百成か中ひょうたんだと思います。高さ20センチくらいのやや小型。かなり茶色っぽい色をしていて、おそらく収穫してから5年以上たっているものではないでしょうか。ひょうたんは年数の浅いうちは白っぽい色をしていることが多く、日が経つほど茶色くなっていくのです。

くびれが強く、そのまま育てばなかなかの美ひょうたんだったと思います。しかし、栽培中に底が何かに当たっていたのか、ゆがんだまま成長して下部のふくらみがいびつに仕上がりました。そのせいで、お尻の部分が丸くなくて平ら。大きなあざもあります。

しかし、その平らなお尻こそ弦楽器向きなのです!

ひょうたんで弦楽器を作る場合、丸いひょうたんの一部を切り取って、その部分に板などを貼って平らにしてから弦を張る場合が多いのですが、このひょうたんなら切らずにそのまま弦を張ってもいけるのではないか。これを手に取りながら、私たち「ヒョウタン総合研究所」のメンバーはそんなふうに話し合っていました。

さて、ふじっこさんはそのひょうたんに大胆に棒を突き刺しました。棒は百円ショップで買い求めたものだそうです。糸巻きも、百円ショップに売っていた編み物用の針をけずって作ったのだそう。弦はウクレレの弦。ブリッジに使ったのは別のひょうたんのかけらだそうです。

動画も見せてもらいましたが、音そのものはなかなかいい感じです。ただちょっと弾きにくそう。その後、高すぎたブリッジを低くするなど試行錯誤し、いまも改良中のようですが、不安定な音色を奏でるひょうたん弦楽器の味わいを、あえて追求してもらえばいいのではないかと思っています。

さてさて。人ごとのように言ってないで、私も新楽器作らねばなぁ。その前に、ひょりんバウ(ビリンバウもどき)の改良にも着手しなければ……。