折上稲荷神社のひょうたん大神

by 丸黄うりほ

▲京都市山科区の「折上稲荷神社」

▲稲荷塚にある「ひょうたん大神」

▲石にもひょうたんが刻まれています。

 

ひょうたん好きな私にとって、ひょうたんな神社といえば大阪府東大阪市にある「瓢箪山稲荷神社」。そして、もう一つが京都市山科区にある「折上稲荷(おりがみいなり)神社」です。

「折上稲荷神社」は、京都市営地下鉄椥辻(なぎつじ)駅から徒歩15分ほどの場所にあります。最初にここを知ったのは、近所に住んでいた人からの情報でした。地元の人にはよく知られた神社のようですが、観光客が集まるようなところではありません。「働く女性の守り神」と呼ばれていて、江戸時代の女官から現在に至るまで女性に信仰されている神社でもあります。

さて、「折上稲荷神社」の鳥居をくぐって境内に入ると、正面奥に本殿があります。本殿の手前90度右方向にもう一つ鳥居が配置され、その奥にはこんもりとした稲荷塚があります。この地形は、もともと古墳であったといわれる「瓢箪山稲荷神社」ともよく似ていています。もしかしたら、ここももとは古墳であったのでしょうか。

神社のウェブサイトによると、ここは祖先神(田の神)が祀られていた場所であり、1500年前に稲荷社となったと伝えられているようです。伏見稲荷と並ぶ最古の稲荷であって、伏見稲荷の奥の宮とも呼ばれているのだとか。

この稲荷塚にはさまざまな神様とそのご利益が集まっていて、とにかくすごい気配に満ちています。霊感などまったくない私のような者でも、ここが神聖で特別な場所であることだけは感じられます。

その神様のなかに、「ひょうたん大神」がいらっしゃるのです。

二つ目の鳥居をくぐって、稲荷塚に通じる階段を上がりますと、青い陶器製のひょうたんが見えてきます。そして、神の使いであるおキツネさんの奥に、ひょうたん型の石でかたどられた神様が……。灯篭やロウソク立ての石にもひょうたんモチーフが刻まれています。

「ひょうたん大神」のご利益は、女性の出世、玉の輿、良縁ということで、モルガンお雪も、この神様を厚く信仰していたのだそうです。

「折上稲荷神社」レポート、明日に続きます。

 (続く)