神戸のひょうたんでら、融通尊寺

by 丸黄うりほ

▲JR 三ノ宮駅近く。ビルの谷間にありました。

▲本堂の屋根には6つのひょうたんが。

▲お寺の前に掲げられたことば。ほっこりします。

 

「JR 三ノ宮駅の近くに、ひょうたんでらがありますよ」と教えてくださったのは神戸市在住の K さんでした。私が出かけた時は小雨が降っていて、しかもすでに暮れかけていたのですが、町名表示を見ながら「このへんかな……」と歩いて探しました。

JR 三ノ宮駅の北東、二宮町という街にそのお寺はありました。飲食店などの商店と、会社や事務所のビルとマンションが混在する中に、ついに黄色いひょうたん型を発見!!

柱には、「真言宗 寶珠尊 融通尊寺」、また「財宝開運 融通御守授与所 ひょうたんでら 融通尊寺」という文字が読めました。柱の横にはお地蔵様。そしてビルの谷間には、ほのかに明かりが灯る本堂がありました。本堂前の柱にも「ヒョータン寺」と書かれています。また、その屋根を見上げると、6つの黒いひょうたん飾りもありました。

この日、お寺の中へ入ることはできませんでした。ですが、お線香を上げることはできたので、火をつけて手を合わせてきました。「楽しいね 人生の旅 まだまだ まっ最中」という言葉が掲げられていて、その優しい言い回しに心が和みました。

後日ネットで調べてみると、「ひょうたんでら」というのは融通尊寺の通称。毎年節分の日に、融通尊の形代である「ひょうたん守り」を授与していただけるお寺ということで、人々から「ひょうたんでら」と呼ばれるようになったのだといいます。参拝できるのも「ひょうたん守り」をいただけるのも原則としては節分の日のみ。ただし、事前に電話連絡をすれば他の日にもお参りでき、お守りも授与いただけるとのことでした。

また、このお寺は京都市上京区にある、やはり「ひょうたんでら」との通称で呼ばれる福勝寺から融通尊を勧請分身されて、昭和の初めに開山したそうです。福勝寺は太閤・豊臣秀吉が帰依した寺であったのだとか。

ここでもまた出てきた秀吉とひょうたんの所縁。次の節分はまだだいぶ先ですが、来年は忘れないようにお参りしたいなと思います。